殆ど開店休業状態であった平日のマス釣り場に現れた、5人の親子連れ。客で良かったのか、休みの方がよかったのか_____一抹の後悔と反省を引きづりながら、展開が展開を生み秋の昼休みは過ぎて行く。
マス釣り場を、半ば強制的に開けさせ釣っていると、もう時計は12時半を刺していた。オーダーしたイワナの唐揚げ用の魚を釣ったばかりだから、これの調理時間を考えると、もうここで昼飯を食べるしか無い。
お品書きを見ると、「カレーライス」とある。
「親父さん、カレーライス大丈夫?」
「ん!うーん カレーライスあるよ」
うん、これで一安心。昼飯には最低限ありつけそうだ。それにしても、どうして「ん うーん」と間が入るのか??????。
それで安心したのか、お母さんが沖縄には滅多に無い、日本ソバを注文しようかな、という。すると今度は長女が、私はうどんが良いと、声を上げる。
それを聞いていた親父が慌てる「ソバは良いが、うどんは出来ねえ」
これを聞いて私はすべて手打ちなんだ、と理解した。うどんの方が時間が遥かにかかるから。
親父加えて、ソバならすぐに出来るんだ、とそば打ちが得意な口ぶりであった。
「わあ。それじゃソバ二つ」とおかあさんつかさず注文を入れってしまう。(カレーだけの方が___早い___かも____。)でも沖縄在住20年のお母さんには久しぶりに日本の手打ちソバを食べてもらいたい(沖縄ではそば粉はとれない)。私スポンサーですからね。イワナでもナマズでも、ソバでもカレーでも奢りますよ。
でもね。手打ちソバがそんなに簡単に出来ないよね。
案の定、コネ鉢や打ち板の準備をして、粉を計り_______もう午後一時を廻っていた。これは最低でもこれから30分はかかるな、と思ったら空腹で目眩がして来た。
それで、耳の遠そうな親父にむけて、カレーなら早く出来るんじゃない、子供たちが持たないから、カレー先に食べたいなあ、と大声で、それも3回言っているのに聞こえていないのか一向に出て来ないのだ。
唐揚げだって、どうなっているのよ。もう一時間は経っている。
「親父唐揚げ忘れてないよな」
「ああ、今揚げてるよ」
30分前もそう答えていたよ。
何か、カレーは先に出すもんじゃねえ、みたいな美学があるのだろう。
途中、調理場から出て来て、子供にキャラクターグッツあげるぞ、と引き出しを捜しまくる親父。
それ後にして、調理先にしてくれませんか?言い出しそうになる私。
子供を諭しながら待ちに待ち、やっと昼食にありつけたのが、午後1時40分。
「キターーーー!!!!」って感じですかね。
超スローフードだったね。
でも、沖縄生まれの長女さんには、ナマズはお預けになったけど、沖縄では見られない木々の紅葉に加えて、イワナ、釣り、唐揚げ、手打ちソバ、そば湯、親父のおまけでソバ羊羹なるものも御馳走になり、初物づくしだった。
有意義な思い出深い昼食会になってくれたかなあ____。
お客さんが喜んで頂けたら全てOK,OK牧場です。
コメント
笑わせていただきました!外出時、頼んだ品が遅い時に、
冗談で「きっと今〇〇釣りに行ってるんだよ!」
何て言ったりするのを
聞きますが、このお店では冗談になりませんね!
マイペースなというのか、いろんな意味で新鮮なご亭主ですね(笑)
ソバ羊羹!初めて聞きました~φ(.. )
お味はどうでしたか?(^O^)
羊羹、その響きだけで、甘みが苦手な私は歯が浮くのです。
しかしこのソバ羊羹は、甘み極小でして、私的には、とってもグッなお味でした。
最初はこんにゃくかと思ったくらいの形状ですが、思いのほか上品なお味で、はげ頭の親父の作品とは思えない位繊細な良品でした。びっくり。