うつ病のOのこと

 10月の連休は、いつも山に居た。友人のOと一緒に。

 互いに、週一回の休みも怪しい仕事の私とOにとって、一緒に山登りをするため最優先に日程を明けようとしていたのは、正月休み、GW、そしてこの10月の連休だった。
 沢登りやマイナーな山を指向して来たけれど___メジャーな山も登っておこうか、と二人で秋の山行は有名山域を目指してみようと決めたのは、7.8年前くらいだったかなあ____。
 秋に登った前日光連山/槍ヶ岳/立山/剣岳/秋田駒ヶ岳/涸沢____。皆良い思い出ばかりだ。
 でもその秋山に行けなくなって、今年で3年になるねえ。
 とても悲しい、ことだ。
 君が、うつ病だとすぐに気がついたけれど、僕には有効な方法を取る事が出来なかった。
 ハードワークな仕事を辞めることは応援したけれど、そのまま引きこもってしまうとは、想像しなかった。
 結果として今日現在僕は、電話も、携帯も、FAXも、メールも、連絡方法を閉ざされている。
 それでも、君の家の近くに仕事があると、弁当や食材を買って、昼休みの合間を見つけて訪問したよね。
 眠れないんだ、と眠そうな顔で応対する君に、まあ食って元気だしな、と言ったものだった。
 その後電話でも5回に一回位は応答してくれた君も、今では全く音信が取れなくなってもう、一年半くらい経つね。
 今年は、ウチの畑で採れたきゅうりやトマトなど、3回くらい届けたんだよ。
 でも何時も留守だったね。
 これまで土日にバイトしているらしい君とは、なかなか出会えないから、今年の夏は二回、意を決して平日の夜わざわざ宇都宮まで出かけて行って訪問したんだよ。
 二回とも、部屋の電気ついていた。一回はテレビの音声も聞こえたよ。
 何時もの留守宅は、鍵も掛かっていなくて、容易に入って野菜も置いて来れたけど____電気がついていたその日は鍵が掛かって、幾ら呼びかけても応答はなかった。
 留守だったんだと、思っているけどね。
 30年近く前。好きだった女の子に、一回ふられても、再度アタックしたっけ。
 あの娘以上に、執拗に食い下がっていることは違いないな______。
 シツコク、めげずに、と心掛けている私ですが、今回は白旗です。
 全くしない!。わけではないですが、取りあえずアプローチはもう休止しようと思ってます。
 最悪の事態になれば、相当後悔するかもしれません。
 が、私の仕事や生活が今以上にハードになる今後、これ以上のことはやれない。できない。
 
 願わくば、「コウダ今度山に行かない?」なんて唐突にお誘いが復活してくれないか、と思っております。

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