災害ボランティア報告4 格闘

LIFE

 
 物資を預かってもらった「有限会社とりもと」さんは、もう長年精神薄弱者とともに、焼き鳥居酒屋とカレーショップを経営されている方だ。
 今回の津波で、カレーショップの方は1m位海水に浸かったが、近所の丘や近くの市民ホールの外壁がバリアになったり、そして防潮堤が うまく作用したようで、壊滅的な被害は受けずに済んだのだが・・・・。主力の居酒屋のほうが、2m以上の津波をくらい、壁が落ち冷蔵庫類も破壊され、営業不能となっていた。
 
 そこで社長は、店を直す間、従業員を一時休業手当受給の手続きをするとともに、この間に従業員を社会福祉協議会の清掃ボランティアに登録して、町の人の役立とう、と考えたのだ。
 
 
 私が行く前に、もう既に3棟の清掃作業の実績があったらしい。日曜日に社協から指定された家にいく。津波から一ヶ月、働ける若者がいる家なら、もうとっくに終っている作業であるが_____。
老夫婦だけの家では、未だに、津波に寄るヘドロが家の中に溜まったまま、という状態なのだ、と改めて知った。

 ヘドロの厚みは10センチだが、それは一階全部を被い、ピアノや冷蔵庫は倒れたままだ。
 この臭いやズルズルべたつく感触というのは、筆舌に堪え難い。加えて、冷蔵庫の中身もそれなりに異臭を放ち、畳は腐ってボロボロ。作業は簡単ではなく、もちろん清潔であるはずもない。

 家の中のものを搬出。それだけで午前中一杯かかった。そして午後からは水道水で洗う作業。それでも一ヶ月泥に被われたフロアー材は、水分でゆがみ床が波打っている。張り替えは必須であるが、その前に今日はなんとしても、泥は排出して綺麗にしなければならない。

 午後3時。規定の終了時刻。一部屋を残したのは、今日だけの手伝いの我々には悔しかった事だが____。まあ良く此処までやったよ、という達成感はあった。
何より鳥もとの従業員さんたち。そのもくもくと働く様は、ある種頼もしさを感じる程であった。

 障害者と共に働く場を作ってきた社長は、この大変な有事にさえ、その従業員と共に地域の困ったお宅に助力をする、という実績を積み重ねている。
 大変感動するとともに、一緒に作業出来てよかったと思うのでした。


 最後に、この家の娘さんが、鳥もとさんに、寄せたメールを転載します

この度は《TORIMOTO災害バスターズ》の皆様にたいへんお世話になりました。
私どもは一日しかできなかった作業を、翌日も一生懸命行ってくれてほんとに助かったと、両親から電話で聞きました。
この大量の家財や泥、いつになったら片付け終わるかと不安な気持ちでいた両親も、電話口の声が明るく、「片付いた家でまたふたり(両親)で、新婚当時のように最初から生活していくよ」と。一歩前に進み始めた決意を聞きくことができました。まだまだ高齢には厳しい生活になると思うので体調が心配ですが、皆さんのおかげで前進することができました。本当にありがとうございました。
今回一緒に作業させていただいて、被災地でのボランティアの重要さを我が身で実感しました。自分の家でも嫌になるような作業を明るく励ましながら作業している姿に、頭が下がりました。
あたたかい人のたくさんいる宮古がやっぱり好きです。『宮古サイコー!!』今週末も帰ります♪
 

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