水が一番大事。

WORKS
 先週まである外構工事をおこなっていた。
 
 依頼主は「カーポートを古いの壊して更新してほしい」という。大変かしら?というので簡単ですよ、と答えていた。
 その後ついでに玄関前に水が溜まるから砂利を入れておいて、と来た。
 
 プロからするとこちらの依頼の方がはるかに難問であった。なにせ現場は写真を見ればわかるように、もう玄関先土間・犬走り土間の高さまで庭の砂利が敷かれており、もうこれ以上のかさ上げは、困難に思えた。事実現在でも大雨の時は玄関前・犬走りは水浸しになっているという。
 
 このページでも、水が一番重要と何度も書いている。私はどんな小奇麗なデザインの庭をつくる同業者がいたとしても、住む人や家に良くない水のことを考えていない外構工事をまったく評価しない。
 
 だからこの依頼はどうにかしたいのだが・・・・・・・・条件は私がこれまで作って来た中でもっとも悪い、ように思えた。
 西側はすぐ田圃。それも1mほど高い。台風でもくれば、オーバーフローした田んぼの水が入ってきそう。北側は家。南側は隣家のブロック塀・侵入道路は30mもあって庭と同じ高さなので水は抜けない。東は当家の畑。
 この敷地内で玄関前が一番低いのだ。
 こんなことになったのは、長年ちょっと水がたまると砂利を入れ続けてきた事による。
 
 それでもどこかに水路はないと、レーザーレベルを持ち出して敷地じゅうの高さを測る。
 東の菜園の端が一番低いし脇に水路のU字溝が通っていて都合良いのだが、そうかといって畑の真ん中を排水パイプを通せない。
 
 散々悩んで見つけた唯一の水路。
 
 犬走りから畑に向かって庭木の下を排水パイプを通し、菜園の手前で90度北に折れ曲げる。そして家に沿って北側のU字溝に。しかしこの位置ではU字溝の方が高い。それでその手前に穴を掘って浸透枡を埋め込みそこに導水。犬走りと玄関はモルタルで5cmかさ上げして水が廻らないようにする。そのコンクリートの縁を庭中に降った雨水が集まるように庭を掘り下げ、防草シートを敷いてその上に通水性が良い丸砂利を伏せる。つまり人間は砂利の上を歩くが、その下を水を流す仕組み。
 
 一昨日から結構まとまった雨が降ったのだが、現場に行ってい見ると巧く機能しているようで、水は何処にも溜まっておりませんでし、砂利から浸透してきた水もパイプに流れ込んでおりました、めでたしめでたし。

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