外構工事を生業の一つにしているが、相談に来られる方は、もう既に住んでいるか、引渡し日が明確になっている頃の方が圧倒的に多い。建築初期や建築前の方は少ないのが実情だ。
やはり家のほうで、予算が目一杯、と言う方が多いのは仕方が無いことだ。しかし最低限必要な門構えや塀、カーポート、アプローチ位は、最初に予算に組み込んでしまい家と一緒にローンを組む、方が後々都合が良いと思うのだが・・・・・・。
そうした実情の中、今回のお客様は、宅地の農地転用許可が下りる前から、当社に相談に来られている、非常に計画性を持った方だ。
先月末に無事、転用許可が下りて、建築開始となったのだが、本日その地鎮祭にハウスメーカーさんからお誘いがあった。
外構工事といえども、地面を掘るわけで、地鎮祭に参加して当然といえば当然だが、実態としてそうした経験がなかったもので・・・・・初体験のことだった。
実は、「お前も土を動かすのだから、地鎮祭に来い」、と言うわけではない。
ハウスメーカーの営業担当者が、外構工事を当社が請負う、と聞いて。家の基礎の高さ・庭の使い方・高さ・車庫の位置・高さ・水勾配の取り方・・・・そうした諸々のことを打ち合わせしたい、と言ってきたのだ。
私の日記の古株さんなら耳タコだろうけど、前のバージョンの日記から、かねがね家を作る工務店がいかにそうしたことを見てみぬ振りをしてきたか、と再三書いてきたのだ・・・・。
そうした意味で、非常に嬉しく新鮮な気持ちになったのだ。
みのもんたCMで有名な○マホーム施工であることもびっくりした。
地鎮祭が無事済んで、本論のそうした打ち合せになり、多くの思う所を申し上げ、結果当初の施工図面より100㎜家の基礎を上げる事になり、切り土の高さ、移動する土の容積も大枠で決定した。これにより外構工事で非常に制約になる排水桝やメーター器の高さ、水勾配などの憂いが非常に少なくなった。
それは私の工事がやりやすくなった、ということではなく、住む方が余計なコストを掛けずに、住みやすく使い勝手良くなったということだ。
住まう方の最善を求めて(本来なら当たり前だが、実行されていない)異種業者が知恵を出し合う、こうした作業に関われて嬉しい日だった。
終えて、聞いた。
「貴方の会社は、こうしたことを社命として実施されているのですか?」
「そうではないんですが、かつてそうした配慮無く家を建ててしまって、お客様に迷惑がかかり、手痛い失敗があったんです」
失敗は誰でもある、そのことは皆気がついている。それを生かすか、予算や手間がかかるから自分の領分ではないから、と無視するかの違いである。
常連さんやHP読んでいる方ならご存知だが、私はアンチハウスメーカー、地元工務店・大工応援派である。家を買うのではなく、地元職人と一緒に作りましょう、と声をあげてきた。
しかしまだまだ細かな配慮が足らない地元大工に比して、低価格が売りの大手ハウスメーカーにここまでする方がいるとは・・・・・・ちょっと複雑です。
そして厳しいです。地元工務店の一層の奮起を願い書きました。
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