22年間の進化 深化

LIFE

 何十年ぶりかで、大学ラグビー日本選手権を見た。

 ルールがだいぶ変わっていたけど・・・・当然だけど、現行の方が洗練されてかつ合理的で良いと思った。

 

 還暦も近い年頃なので、若い方には恐縮だが、明大ラクビー部といえば、故北島監督である。バックスの展開力を重要視する早稲田に対して、相撲部出身でもある北島氏はフォワードを中心とする縦への突進力こそが基本である、という大原則のぶつかり合いが、伝統の早明戦であった。「縦」VS「横」、観客もマスコミもわかりやすかっただろうけど、当事者にとっては、伝統の意地、宗旨替えはお互いできないみたいなものがあった対戦だった。
 北島御大は、何時も煙草を燻らせ、例え負けても顔色一つ変えず「良い試合じゃった」というのが試合後の定番コメントだった。
 
 しかし北島御大亡き後、明治は長い長い低迷期を過ごすことになる。世界的なトレンドも、バックスの展開が主力になり・・・・・明治のラクビーは、前世代的なのか?・・・・伝統も変える必要があるのか?。明治ファンの多くはそう思ったかもしれない。
 
 22年ぶりに日本一になった明治フィフティーンを暫くぶりにTVで見て、ある意味「ビックリした!」
 
 低迷も批判もなんのその・・・・相変わらず「タテ」の明治だったのである。
 
 しかし20年前とは内容がだいぶ違った。防御がタテに恐ろしく早かった。相手の連続攻撃もゲインラインを中々越えられない。強いバックスというのは、人数多いんじゃないの?と思うほど、横への動きが早いものだが。明治の防御は人数多いんじゃないの?と思うほど、次から次にタックルに行った。
 
 9連覇中の帝京大を粉砕した天理大強力攻撃陣を、押さえ込んでいく。
 
 北島ラクビーを一言で表す言葉
     「明治 前へ」
 ラクビーは攻守が一瞬で入れ替わる。防御だけでなく、敵のボールを密集で奪うターンオーバーも何度も見せた。攻撃的守備とも言える。
 「前へ」というのは攻撃だけのことじゃないんだ、と今更ながら知った次第。
 
 時代遅れ・・・・やもすると叩かれかねない低迷期を抜け、スピード感あふれフォワード・バックス一体となった攻守、という進化した「前へ」ラクビーを見せてくれての優勝。
 
 天国の北島御大も「良い試合じゃった」と言っているに違いない。
 
 古いから捨てる、替える・・・・・・時代の流れが早いから、ついそう思ってしまう日常がある。 まだ改良できるはず、このまま発展できるんじゃないか? 自分のベースは何処にある?  
   自分の仕事にも、考えさせられたゲームでした。

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