コメント返答に替えて

STOVE
 初見の方から長いコメント頂きまして・・・・皆様ご存知のようにコメント少ないブログなもんで、嬉しくなってつい調子に乗り、記事で返答しておきます。


 今いろんなストーブが日本では買えるようになっており、悩ましいですね。皆それぞれにセールストークというか「売り」を謳い競いますから、ユーザーは混乱してしまいます。

 今日はメーカーサイドのセールストークを無視して、ユーザーサイトでの選ぶ視点・ファクターを書いてみます。

 薪ストーブの暖房能力は、燃焼室の容積=薪の量で決まる。

 欧米それなりのブランドで日本で輸入されているストーブは、粗悪なものなど無い、と思って良い。熱効率、燃焼効率○○%なんて謳っているても、それはミリの差。そんな数字に左右されない方が良い。
 やはり大きな薪が沢山入るストーブが暖房能力が高い、というのは原則。所詮数値でないのだ、薪の燃える量なのだ。

 しかし大きな容積をちゃんと二次燃焼させるには、それなりの薪と時間が必要になる。

 いたずらに「デファイアント」など導入しても。二次燃焼までに多くの燃料と、それなりに構ってやらないと上手く燃えてくれない。

 最近のトレンドは、HITAやドブレ・ビンテージなど、燃焼室をコンパクトにして、バーミュキュライトなどで燃焼室を覆い、燃焼室内の高温を維持して、「キレイに完全燃焼させましょう」というコンセプトのストーブ。狙いは少ない薪のカロリーを最大限使い切ります、ということ。
 現在の住宅は断熱性が高いから、こうして寝る前にガツンと一焚きすれは、朝まで持つんじゃないか・・・・・・・。という使い方。 

 個人的には、それほど寒くない地方では最新の住宅にはこうしたストーブで良いように思います。

 ただ東北北部など最低気温がマイナス10度以下になる土地の場合は、もうちょっと能力があったほうが安心かと思います。

薪ストーブを選ぶファクターは蓄熱性かも

 その能力というのは、瞬間的なパワー(痛いくらいの暑さ)でなくて、持続力つまり蓄熱性が重要かと。

 薪ストーブの欠点は、人が寝てしまうと、あとは消える一方だということです。

 それなんで、一方でHITAみたいな鋼板ストーブで充分というところもあれば、おなじHITAでも、鋼板の外側にソープストーンを纏った蓄熱性を高めたストーブも作っているわけですね。

 私は寒冷地は、こうした蓄熱性が長いストーブほうが快適ではないか、と思っています。
 炉内を高温にして完全燃焼させるために内部に「バーミュキュライト」使用。
 蓄熱性を上げるために外部にソープストーンを貼り付ける。
 
 現在の薪ストーブの2大トレンドです。
 しかしハーツストーンのストーブは本体がすべてソープストーンでできており、バーミュキュライトより遥かに効率よく炉内を高温に維持し、かつ蓄熱性も貼り付けたストーブより長く温度を溜め込む。

 この製品が世に出て長いですが・・・・こうした使い方のユーザーにはハーツストーンを超えたストーブはまだまだ少ないのでは???と思っています。

 具体的なアドバイスですが、一般家庭35坪では、現在の平均断熱性を持った住宅なら岩手でもヘリテイジで充分だと思いますよ。それ以上大きなハーツストーンのストーブはオーバースペックです。
二次燃焼は派手だが・・・・熾火が8-10時間も残る不思議??。設計が素晴らしいと思う



 

コメント

  1. ihatov-farmer より:

    新参者に、丁寧な回答感謝いたします。
    ここ数日モヤモヤしていた思いが、綺麗に晴れ渡る思いです。
    ヘリテイジが確信に変わりましたが、いくつか気になる点がありまして・・・。

  2. ihatov-farmer より:

    1、灰受け皿オプションあったほうが良いですか?過去記事拝見するに、前は標準装備でした?
    2、煙突。掃除も自分で出来ればと考えています。メンテナンス性から背面出しがいいでしょうか?(上面・背面とも設置スペース的にはたぶん可)
    3、「強風と煙突ダンパー」記事によると、当方も冬の北西風があり、必要なのかと思いました。これは、ストーブ屋さんにオプションとしてお願いするものですか?
    4、ストーブ屋さんからは「今の住宅は高気密だから外気導入が必要だよ」と言われました。それまで私は外気導入は要らないのでは、と思っていました。なぜなら、24時間換気システムからの吸気?や、LDの約10畳が、1階の屋根なりの大空間+それを含めた12坪ほどが、間仕切りの無い大空間で、汚れた空気や中干洗濯物の湿気を吸う「空気清浄機」の役割をストーブに期待するからです。
    よって、仮に外気導入が必要な場合でも、巡航運転中、室内の空気をいくらかでも綺麗にしてくれるのでしょうか?未就学児が数人おり、しばらくは洗濯物も多いので・・・。

  3. kouda より:

    > ihatov-farmerさん
    ①このストーブ少ない欠点が「灰受け皿」です。全く必要ありません。冷えている時に、スコップで攫ったほうが早いです。また底が深いので、結構溜まります。その意味でも上からすくった方が手っ取り早いです。
    ②メンテ的にはどちらも大差ありませんが・・・石の天板は鉄より温度が低いので。背面出しにしてグリドルを天板に設置したほうがお湯等が早く沸きます。

  4. kouda より:

    > ihatov-farmerさん
    ③煙突ダンパーはストーブ屋さんに依頼して付けてもらってください。これで煙突を規制する時は、ストーブ側エアーは絞りすぎないように。
    ④外気導入というのは、実は冷気を燃やすので、熱効率が落ちます。空気清浄器効果は???ですが。空気不足を起こさないためには、家の吸気ダクトをストーブの真裏や真下に設置されることをオススメいたします。
    ヘリテイジは1次2次燃焼空気とも、同じ口から取り込んでおりますので、外気導入ダクトを接続すると室内空気は使いません。

  5. 911gekko より:

    kouda様
    横レス、失礼致します。
    私のヘリテイジの経験談を述べてもよろしいでしょうか。
    不適切なら、削除して下さいませ。
    >ihatov-farmer様
    こちらのブログ主様の施工により、自宅新築時にハースストーンヘリテイジを導入した者です。今冬でストーブを焚いて3年目です。
    ヘリテイジというストーブ、なかなかいいですよ。見た目の存在感もあるし、機能的にもシンプル・イズ・ベストという感じです。それでいてやっぱり薪ストーブは奥深いです。また、何より暖かさの質が鋳鉄製のストーブとは明らかに違います。
    吸気調節レバーは1つだけで、操作の間違いのしようがないけれど、それでもレバー操作によって炎は違う姿を見せてくれます。煙突ダンパーは付けようと思ったことかもありましたが、わが家の場合、なくても大丈夫ですというアドバイスをもらってからは、考えたことがありません(さまざまな条件によりちがってくるとは思います)。
    (つづく)

  6. ihatov-farmer より:

    >Kouda様
    本来であれば地元の薪ストーブ屋さんで聞かなければならないこと・・・、親身な回答、心から感謝です!
    経験と知識の裏打ちがあり、さらにユーザーの視点を忘れない、ここまでのアドバイスは、残念ながら我が田舎のストーブ屋さんでは、まず出会えないと思います。
    気になっていた点も解消され、薪づくりへのモチベーションも上がります!
    ストーブ以外も家建てへの考察についても、過去記事から教科書にさせていただきたいと思いますm(_ _)m

  7. ihatov-farmer より:

    >911gekko様
    大変参考になります!
    ちょっとした料理にも活用したいので、ブログ主様のアドバイスと合わせて、
    煙突はこうしよう、このオプションは要らない、など迷いを吹き飛ばすことができました!
    はやく皆様のように、薪ストーブライフを楽しみたいです・・・。

  8. kouda より:

    > ihatov-farmerさん
    補足
    ストーブ直上は断熱煙突と接続のために、シングル部分を挟み込むのが通常の施工です。ここにドリルで穴を貫通することができれば、ダンパー自体は通販で買えますから、DIYで煙突ダンパーは付けられます。
    現在の住宅では換気扇が複数個付けられているのが普通です。吸気口もあるとは言え、家中一律の気圧か???怪しいのです。薪ストーブの煙の逆流、ペレットストーブドア開けると灰が室内に吹き出す・・・なんてこと結構起こってます。だからストーブの近くに吸気口を設けた方が良い。
    その換気扇の力は、煙突のドラフトの比ではありません。家内の空気循環の一つとは考えずに、あくまでもストーブ燃焼のために空気口ひとつ与えてあげてください。

  9. ihatov-farmer より:

    >Kouda様
    なるほどなるほどです。
    空気の流れや、「気圧」までは、なかなか想像できませんでした。
    吸気口(外気導入)についても、確実に工務店と打ち合わせいたいと思います。

  10. uji*5*54864 より:

    初めてコメントさせて頂く、ヘリテイジ1年目のものです。ネットでもヘリテイジを使用されている方の情報が少なく思われ、こちらでの各記事は貴重な情報源で感謝しております。ありがとうございます。
    軽井沢で在住ですが、記事の内容に完全に同意です。シンプルイズベストの観点でこのストーブには大変満足しております。
    なお質問者様とほぼ同じ2階建ての家ですが、ちょうど良いサイズと感じております。販売店からはややオーバースペックかもと言われておりましたが、暖かく過ごせております。

  11. kouda より:

    > uji*5*54864さん
    コメントありがとうございます。確かに情報が少ないストーブなんですが、隠れた名品とも言うべく使った方の満足度が高い製品です。最近の家は断熱性能が高いですから、痛いくらいに熱いストーブよりも、柔らかい暖かさが長く続くストーブの方が快適性は高いと思います。
    日本で売れているから、という選択をして後悔している方一杯見てますから。
    人と違ってもその特徴を把握して、惚れて選んで欲しいですね。

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