先日付き合いのない大工さんがタイルが欲しいと来店された。
話を聞いていくと、炉台の遮熱壁。気になって根掘り葉掘り事情聴取。
「石膏ボードに直接貼り付けたらダメですよ」(ちょっと前はこれが当たり前に行われていた)
「ストーブ屋に軽カル板で通気層作れ、と言われたんだ」という。
それって、どう作れば良いんだ、と聞かれたので、構造や造作方法を絵を書いて説明してあげた。
と、この流れから分かるように・・・・・・他社の薪ストーブ工事だし・・・・お得意様の大工でもないし・・・・・ただ同じ街の市民が安全なストーブライフを送って欲しいから、それなりに親切丁寧に教えたつもりなのだ。
ちょっとたってから、タイルの注文に見えた。
ついでに・・・・・「ストーブ周りのタイル貼りやったこと無い、て職人が言っているから当社で貼ってくれないか・・・・」と。
「タイルは誰が貼っても同じ、問題は下地の通気層の方の造作ですからね」と念を押したのだ。
果たして、今日タイルを持って出かけてみると・・・・・・私がシツコく説明した親方でなくて息子さんが造作されていて・・・・・・・・・通気層はどこにも無かった(^_^;)。
正確に言うと、ケイカル板は真壁一面に貼られていて・・・・確かに更かしたんだろうけど・・・・・・空気が動かないから通気にならないわな・・・・・・・。
これじゃダメだ。やり直し!という立場にないのが・・・・・・・微妙な処。
袖に若い大工を呼んで、通気層の構造、意味をもう一度説明する。
本日の教訓
・一般の工務店は、まだまだ薪ストーブの遮熱壁を理解していない
・一般のストーブ屋はストーブだけで、造作には関わらない。
・ストーブ周り一式施工できる当社は、もっともっと力をつけて多くの方に役に立たねばならない。
国府田産業HP
コメント
この作例では、美しく貼り込まれたタイルが熱ではげ落ちるような事態になっちゃうんでしょうか?遮熱不十分でタイルの下の壁まで…とか?折角懇切丁寧に説明したのに…今日はちょっと残念な記事。こちらの主様もさぞガックシされたことでしょうけど、落胆を使命感アップに切り替えて、今後も頑張ってくださいませ。…「ストーブ周りの正しい施工管理」なんて講習会開いたらいいのにな~、なんてA^^;)
> sna*****さん
遮熱壁の意味は躯体=木材に熱を伝えないこと。燃えない温度でもある程度の中温で長期間さらされると「炭化」していき発火温度が下がります。低温発火と言います。
ブロックレンガ等厚みのあるもので遮熱するのが原則ですが、タイル+無機質板という薄い壁でも、裏側に動く空気層があると躯体への熱伝導が飛躍的に低下します。写真の白い軽カル板の裏側と室内側の空気が繋がっている、つまり裏側の熱気が逃げる構造である必要があったのです。
タイル・セメント系ボンド、ケイカル板 すべて無機質で熱膨張も極小ゆえ、ストーブの熱気で脱落することはありません。