意外と大変な大谷石塀の補修

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 今日は大谷石の塀を積み足して欲しい、というオーダーを受け、現地調査に出かけました。
 地元産の石ですから、相当な数石塀が存在しています。
 ほとんどん方が「大谷石の塀ね」と一瞥しておしまいでしょうけど・・・・・・・。積むのも重そうね・・・・位です。

 コチラにとっては、この石は結構な難物なんです。」昔から蔵用途として、そして塀としても、規格の石はほぼ二種類しかないです。150mm*300mm*900mmか幅が広い180mm*300mm*900。
 なのですが・・・・・・・・・この規格に合わせるには、鉱山では大きめに切るわけで。今みたいにm単位で設計図ができている時代じゃない時には、鉱山から来たまんま積んでしまい、例えば940mmの塀が存在していたり、尺貫法に忠実に303mm909mmの石もあれば、300mm900mmの石塀もあるんですね。
 ちなみに今日訪れたお宅の両隣りも大谷石塀なんですが・・・・・案の定皆寸法が違いました。

 というわけで、「付け足す」という工事ですから、現況の石の寸法を把握することが第一歩。でもこれだけなら簡単です。
 第二歩のほうが難度が高い。つまり鉱山から運ばれてきた原石を、自分のやり易い寸法に揃え削るのが、石屋。その石工が、「俺んちはちょっとカッコ良いぜ、ほかとは違うぜ」とヨドと呼ぶ、目地を広げてみたり、表面をノミで叩いたり、面をとって削ってみたり・・・・・つまり石工ごとの表面仕上げがあるわけで・・・・・・その装飾は、特に傘部分が、微妙に装飾寸法やデザインが違うものなのです。
 これを似せるのが一苦労、といのが大谷石の補修の難易度をあげているわけです。皆同じじゃなくて、同じ石が存在しない、という方が正しい石なのです。


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