当社創業は砂利採取業でした。今から57年前のことです。
これは川から原石を国から買いまして(払い下げ)。篩ったり割ったり、洗ったりして「製品」と呼びますが砂・砂利などを作る業態のことを言います。河原の石と言っても、中身は粘土から大岩まであるわけです。
例えば、大昔は木材がほとんど全部が利用されてきましたね。製材して用材としては勿論。小径木は足場や杭。杉皮は屋根材あるいは下地材。葉っぱは線香や焚き付け、枝は燃料・・・・・・・等々一本の木は無駄にすることはなかった。
同じように河原の原石は、ほとんど全部が利用されたんです。水で洗うことで、粘土分をまず取り除きます。これを沈殿池に貯めていくんですが。これは① 「ヨナ」と呼んで造成地や埋め立て、造園屋さんが庭を造る際に使われました。砂利が入っていないことと粘土質なんで保水性もあって、庭の形を作るのに最適だったんですね。
大き目の石は割って② 「割栗石」にします。今ではほとんど見られませんが、道路や、建物の基礎の一番下に敷いて使いました。割石で凸凹がかみ合って強固な基礎ができます。割る機械がなかった時代には、例えば飛鳥時代の寺院には、柱の下には、割ってない丸いままの③ 「栗石」が敷き詰められて下地にしてあります。
それより大き目の25-40cm位の転石は④ 「玉石」と呼びます。これは野面石積といって、セメントを使って積み重ねていき道路の法面の土留めに使われました。一個一個手で集めたんですね。
洗った原石からもっとも目の細かい篩で濾したのが⑤ 「砂」です。通常6m以下の粒を言います。現代社会のコンクリートには必需品であり、左官作業にもなくてはならない骨材です。
その上の篩サイズ6-10mmの細かな砂利は⑥ 「ビリ」と呼んでました。小豆から大豆位で目が揃っているので庭園や農家の庭の敷砂利として化粧に使われましたね。枯山水などもこのくらいの粒の砂利が使われてますね。
そいして11mmから25mmは⑦ 「丸砂利」です。これは現代でも砂と一緒に使い、コンクリートには不可欠の骨材となっています。
余談ですが・・・・通常生コンクリートの強度はセメント量とこの砂利の量の配合で決まります。
現代の生コン工場の材料には、岩山を砕いて作った砂利と川由来の砂利が使われますが、どっちが丈夫だと思いますか?????
岩山から作ったほうが丈夫 と思う方も多いでしょう。
でもこれは×。
川の砂利の方が丈夫なコンクリートになります。だって山から崩れてきて、川に長距離流されて・・・・最後に残った岩の芯が玉砂利ですよ。岩山から削られて作られた砂利って、削りやすい岩山から作るわけで硬いわけないでしょ。
そんなわけで、今で言う国土交通省から払い下げで買った原石は、こうして洗ってより分けられて製品になっていくわけですが。上手い具合に全部が売れるわけではありません。つまり需給関係にムラがあります。当地は上流なので、砂目が少ないのです。逆に玉石や割栗は一杯できる。下流域の砂利屋は逆ですね。それで時にはバーターといいますか、お互い足らないものを融通しあってましたね。
そうしたわけで川から資源を得る、というのは、ある意味合理的で、利点も多かったのですが・・・・。
現在川から砂・砂利を作っている業者というのは、全国的に見ても、ごく少数が残っているだけになりました。
それは国の基本方針が、川は堤防、砂防ダムで区切って治水管理するものだから、砂利砂取ってはいけない、と方針を転換したからなんですね。
それなんで、砂利屋は、原則岩山から作るか、もしくは堤防の外側の田んぼや林地の地下から掘り出すしかなくなっているのが現状なんです。
工法の変遷もありますけど・・・・・上にあげた②-④、⑥の骨材は現在探さないと見つからない地域も増えております。
自社工場を辞めてからも、仲間から仕入れて現在でも販売を続けております。もちろん先に書いたように時代と共に、手に入らなくなっている製品もあります。つづく
↑当社ストックヤード。現在でも7種類の骨材を販売中。
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