山は良い。山に登る、というと趣味やレジャーと思われる、それはその通りなのだが・・私の場合ちょっと違う意味合いがある。
自然の大きさや怖さを感じて、その中で自分がどれだけ生きられるか。そんなことを感じて研鑽できれば、と山に向かう。
できれば一人の方が良い。余計なこと考えず山の神との向き合える。祝詞を上げ、お神酒を捧げ 入山の儀式を行う。
今回は低気圧接近前の「凪」の天気。風ひとつなく「静か」だった。人工のものが全く見えない。見えるのは山と雪そして空。静寂・・・無音・・・鳥のさえずりさえ無い。こうした世界は下界では中々感じられない。
一昨年のGWやはり白馬の稜線に泊まっていた。7人だか亡くなったそのすぐ下に居た。その時の風はまさに「爆風」。「ゴゴゴーー」という爆風が遠くから迫ってくるのがわかる。衝撃波そのもの!次の瞬間テントが潰れるくらい揺らされたっけ。結局山岳用テントの支柱がねじ曲がった。恐ろしくて一睡もできず、叩きつける雨でずぶ濡れ、相棒は低体温症で動けなくなるし・・・夜明けとともに、命からがら転がるように降りたっけ。これも山。
征服欲はない。ただ自分の生きる覚悟を試しに行くだけ。「危ないだろうって?」
それも本望。畳の上で逝くより良い。
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