タイル薀蓄

CHAOS

今日はリフォーム案件です。

病院の玄関先階段タイルの改修です。

200mm角の平物と「タレ段」と呼びますが曲尺型(逆L字)の役物の組み合わせです。

役物は195mm幅、奥行90mm 立ち上がり部分は40mmです。

人間の足は23-28cm位なので、一般に階段の踏み面は30cmが最低限寸法に作られます。

195mm平物タイル+90mm役物タイル+目地部分=約300mmとなります。

役物は特に降りる際は滑りやすいために、山(凸)型の突起や、溝(凹)が加工されています。

平物と同じサイズでこうした加工された役物も多いです。こうしたものを「段鼻」と呼びます。

平物サイズの役物は値段が安いのが取り柄です。曲尺だと製造原価も、かさばるので輸送費もかかるでしょ。それでタレ段の方が高くなります。

ただ高価な他にも弱点あって・・・・。

タイルというのは、焼き物です。これは現代の最新技術を使っても、焼成中の反りや曲がりは絶対的になくすことはできません。ですので、真っ平らに見えるタイルも何枚か重ねてみれば、カタカタ浮いた隅が出来てきます。この狂いが○%なら出荷OKという基準があります。でも貼られてしまえば、どこが反っているか?人間の目には判断がつかない位の「狂い」です。

しかしそうした基準は平物をベースの話であり、役物は飛躍的に狂いが多くなりますので、私は役物は狂い=不良品率低下のため、焼成温度が低く焼かれているのでは???と思ってます。

今回の現場でも見ての通り、↓そうですが、凍害でやられているのは、ほとんど役物部分だけだからです。

これまでこうした現場では、やはり役物だけ壊れている、ということがほとんどでした。

 

国内最大のタイルメーカーでさえ、中国製タイルが増えています。流石に社内基準でその品質は保たれていると思いますが。

ネットやホームセンターに売られているタイルは、ブラジルやベトナムなど、南国産のものが多いようで、寒冷地日光の建材屋としては、止めておいたほうが良いよ、とアドバイスしているのですが。

工務店の中には、これ安いじゃん、と使ってしまうビルダーさんも多いみたいで、セルフビルドされる方も含めて注意が必要です。

 

タイルには石器質、磁器質、陶器質 など素材と性能を表す分類もあります。そう謳っていても、生産国の技術水準では「無理くさい」と感じることもあります。タイルは皆タイルで同じ、と思わないことですね。

 

特にセルフビルドされる方は、大体失敗することが多いですね。タイルを寒冷地に使う場合。安かろう悪かろう、という失敗が多いです。

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