国旗掲揚塔 完成

WORKS

国旗とは限りませんが・・・3本のオーダーでしたので、国旗・社旗・日光市の旗というところでしょうか?

特別難しい工事ではないんですが・・・何にでも「ポイント」というか「キモ」というのがあるのが工事でして。

今回の場合地上高8mあるポールを如何に鉛直に建てる方法。

そしてそれが固まるまで保持する方法 という処がキモですね。

 

ポールを建てると聞いて、職人、社員は垂木という木材を用意し始めました。

申し訳ないけど「ダメ」だし、です。8mもあるステンレスポールを長さ3,6mの木材で支えよう、という発想が×です。足場もないし・・・・風吹けば傾いてしまうリスクも・・・・・。着目点が少々違います。鉛直を固まるまで保持しよう、ではなく鉛直でたらすぐ固めてしまおう、ということです。

基礎石は260kgもあります。ポールは長いとはいえ20kg弱。早く固定できれば倒れる心配はないです。どう早く固定するか????

「早強剤を使う」と思った方は、少々建築に詳しい方かもしれません。が私は塩系の早強剤は金属を腐食させますので全く使いません。その場納まれば後は知らない、という工事はしません。

企業秘密をちょっとだけ披露してしまいます。

 

①鉛直にセットした基礎石の中にポールを入れたら、四角い穴の内側に同じ厚みの材木を四方から徐々に叩いて楔にしてポールを仮固定。この楔の使用がポイント1です。

②水平器でポールの鉛直をチェック

③ここで投入するのはモルタル  ではなくて「砂」です。砂で固定すんの?????と思われる方も多いでしょうね。砂が使用がポイント2かな。

④なぜ砂か・・・・。セメントは固まれば強度はでますが、水を含んだモルタルは粘ってしまい、棒などで突かねば、穴の中に十全に回りません。しかし砂だと何もしなくても空間に充填されます。つまり穴の芯にポールを置いて、その周りに砂を3分の2充填すれば、そうそうずれないのです。モルタルを充填しようと棒でつつけば、かえってポールを押しかねません。砂を充填した残り3分の1くらいをモルタルを充填します。

⑤最後に楔を外してのこり数センチの部分は、ちょっと前に紹介した特別支援学校の躯体修理に使った特殊な樹脂入りモルタルで蓋をします。これは30分位でコンクリート並みの強度が出ます。高価な材料ですが、時間や時間がもたらすリスクを考えれば「安い」のです。この適材適所の建材使用法がポイント3です。

⑥3分の2はただの砂????って大丈夫なの???と思われるかもしれませんね。ただ30分で樹脂モルが固まれば基礎ブロックの内部の砂は何処へも逃げ出さない密閉空間に隙間なく充填されているので動きようがないのです。小一時間で設置完了です。

そんなわけで小一時間ユンボのバケットで仮固定しているだけで、8mと7mのポール3本実質一日で設置完了です。

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