境界杭 設営

LIFE

 今の仕事をするまでは、狭い日本だし、高い値段で売買されているわけだから、公有地、共有地、私有地のそれぞれの境界はほとんどしっかりしているものだと思っていた。

 現在宅地として販売されている物は、大丈夫だろうが、30年くらい前だと田舎のほうはまだまだ怪しい売買があった。そんな位だから、地境が怪しいことが相当ある、という認識からスタートしないといけない、と考えを改めた。

 特に私の仕事は、土地を削ったり、また構造物を作るわけで、その地境が関係者すべてが納得しているものか確認するというのは最優先事項である。

 加えて、土や構造物を作る事によって隣接地にネガティブなことを引き起こさない配慮も必要になる。

 そんなこんなで、3ヶ月も待たされて昨日やっと境界杭を打ってきた。
 仮のプラ杭が打たれていたのを、コンクリート製に替える。

 コンクリート杭の周りの4本のプラ杭は、位置決めのために使う。

 仮り境杭の上面に打たれている中心点と二本のプラ杭が一直線になるように、二方向計4本の杭を廻りに打ち付ける。それから一方の杭の上に釘を打って水糸を張り、中心杭のそのまた中心を通るように反対側の杭上に釘を打つ。

 これを縦・横両方向すれば、水糸の交点が杭の中心となる。そして糸を外してから、周りの4本の杭に触らぬように、真ん中の仮杭を掘り出す。必要な深さと、位置を決めるべく必要な広さが掘れたなら、また二本の水糸を張りなおして正式なコンクリート杭の中心が、糸の交点の真下に来るように設置して固定する。

 正確には、「下げ振り」という、糸の先に尖った錘をつけたものを糸の交点に沿わせることで、杭の位置の微妙な位置調整を行う。

 これにより杭を入替えるが、寸分たがわぬ位置に新しい杭が更新される。

 ここまで細かくするのかって?。

 地価の高い日本。加えて神経質な方が多いので、1cmの出た入ったで、騒がれる方もいるから、こちらも神経を使います。

コメント

  1. mimiedennoniwa より:

    境界杭はこんなに正確に中心を出して打つんですね。
    これから敷地の測量に行く時は境界杭を打った方に感謝して測量します。ありがとうございます。

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