今日は庭造りや外構に興味がある方限定の話題です。
「コウダのワンポイントアドバイスコーナー」ちょっとマニュアックになりますよ。
先日コメント欄に質問がありましたので、本日はそれが元ネタになっております。
コンクリートは大変強固な物体でありますが、これが伸びたり、縮んだり、動いたり、するものだ。というのはあまり知られていない。
このコンクリートの動きによるひび割れは防げないので、一番問題のおこらないところで、割れていただこう、というのが「誘発目地」の役割。
強大な鉄筋コンクリートのビルやマンションも、表面から見えないが、誘発目地が入れられている。
私が行っている外構工事でも、主に、土間コンクリート施工では誘発目地をいれることもある。その有無の分岐点は、約40平米位。
周りの壁や、道路など既存の躯体と離れているか、一辺でしか接していない場合は、この面積だと目地を入れないことが多い。
しかし40平米以下であっても、4方あるいは3方がコンクリートなどに囲まれている場合。新設するコンクリートの動きが制約され、良くない動きをするから目地を設ける。
この場合の目地とは、鉄筋も繋がず、二分割なら二つのコンクリートの板に分けるもので、硬質のスポンジ状のものを予め土間に設置しておいて、それからコンクリを打設する。美観を損ねないように、プラスチック上のキャップをつけるので、土間コンの表面にプラのラインが入る。
二つのコンクリートの板に分割しておくことで、コンクリ自身の動きを最小にして、醜く斜めにクラックが入ることを防いでいる。
しかしながらこのプラのラインはおしゃれでない。というリクエストがあれば幾つか入れない方法がある。
一つは、レンガやブロック、石・枕木などで仕切って誘発目地の代わりとしてしまう方法。これはおしゃれだが、その分手間もコストも余分にかかる。
もう一つは、目地をわざと大きく開けっ放しにして、ラインあるいはスリット状にしてデザインの一部にしてしまう方法。
この隙間は、ササやタマリュウ・芝など背丈の低い植物で緑化することもある。その場合の留意点は、植物が必要な厚みの土が必要なのと、その下の水はけをよくするために、砕石のままにすること。
勿論鋼板屋根のカーポートなど陽が差さないところには向かない。
または質問に合ったように、化粧砂利で仕上る場合は、雨水の流れも考え、やはり水が溜まらない配慮をすれば良い。砂利が入りすぎる場合は、から練りモルタルなどで底上げする。そうすれば、雑草の種が飛んできても、根がはびこることも無い。
写真は、当社施工昨年の工事。4方がコンクリートや擁壁で囲まれ、誘発目地は必須だった。判り辛いが、赤く見えるのが、設置した目地用レンガの汚れ防止に貼ったガムテープ。
コメント
こんにちわ~
写真の車庫を見て立派なお家だな~と思いながら
読ませていただきましたが、
建物造りは大変なんだろうなとは簡単に予想できましたが
その底辺にまでこんな細工がされているんですね。
知りませんでした。
いろんな手法もあるのですね。
仕事をしていて楽しいのは、
予算なりに、自分のこれまでの経験を最大限発揮し、その結果顧客に喜んで頂けること。
たとえ予算無くて、思うような庭にならなくても、次の工事につながるような配慮をすること。
常に自分が顧客だったら、そう思ってあたる事。
自分にウソはつかないようにしよう、それを心がけて仕事しています。
とても面白くて為になるお話、ありがとうございます!
から練りモルタルで底上げするんですね。そうしたら、化粧砂利の量も少し減らせますね。
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