「くずし」も嗜好次第 バランスが重要

WORKS
 昨日の記事で「くずし」のことを書いた。石材が方形なので、そのまま作ると四角い造作になってしまう。
 
 自然石を使っても、四角い堅苦しいイメージが強くなる。そうしたことを和らげたり、あえて破たんさせたり、直線を曲線に換えたり・・・・そうした技法を私は「くずし」と呼んでいる。
 
 昨日の写真でいえば、枕木のベンチ。
 イメージが南欧だから、その意味でも日本の公園のような、綺麗に製材された板材を使わない。
これも「くずして」いる。
 古材ではないが、ささくれが目立ち、ちょっと危険なので、サンダーで荒く削った、が。 本来の製材当初についた「荒い削り痕」はワザと残してワイルド感を演出。また色的にもベージュ基調で、というお客様のリクエストを生かすためにも、あえてここだけは濃いめの茶色を塗って、ベージュを引き立たせる。 これも「くずし」技法のひとつ。
 
 水栓周りも、丸く立ち上げたのも、 というか設計者としては、ここを直線同士で合わせたくなかったので、あえて丸くして水栓をつけた、というのが本音。直線に円をぶつけて「くずす」
 
 困ったことは、道路に面する所に照明看板の支柱があるのだが。 これの根元が饅頭のようにコンクリートが盛られて固定されている。このままだと土間コン以上の高さに出っ張ってしまう。カッコ悪いからどうにかしてほしい・・・と要望が・・・・。
 これを削ると倒れてきそうだし、立て直すにはコストがかかる。
 
 そこでコウダは、あえてその上にピンコロ石を積んでしまう。ちょっと出っ張るならかえって高く積んでアラを隠してしまおうという作戦。 どうせなららせん状に積んで、ついでにアスファルトとコンクリートの境石の役目もさせれば一石二鳥・・・・これも「くずし」というか「遊び」だね。

 それでも「くずし」もお客様のお好み次第。やり過ぎはかえって逆効果。お客様の嗜好性を崩さないバランスが必要です。
 
 
 

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