大型バイクとトレードした耕運機

TOWN
 
 コウダはかつて大型バイクを乗っていた。
 
 GSX1100S KATANA というマニアならだれでも知っている歴史的名車である。最高速度は220kmオーバー。実際200kmまでは出したことがある(某高速道路で)。
 
 しかし、生活が変わった、というか、家族のことや仕事のことが優先で、たまのオフも歩いて山登る方が面白くもなってしたし、長らく誇りを被せてしまっていた。
 6年前に家を建てて、田舎に住み、畑をやるの段になって、とうとう処分することにした。
 
 学生時代の親友が、家つくりを手伝ってくれたお礼に進呈した。今でも中古市場で数十万円の値がつくバイクであるが・・・・。そうしたところに売るよりも、親友に乗って欲しかった。
 
 奴もびっくりしていたが・・・。過剰な返礼に固辞していた。
 
 それでは、と交換条件を出す。
 
 彼の実家は農機具を商っていた。
 
 管理機ともいうが、耕運機の中古で農家から引き揚げてきたような器具はないか?と尋ねる。
 
 お安いご用、とほどなくしてちょうど良い機種が手に入ったようで、わざわざ岐阜県から運んできてくれた。
 
 カワサキの125ccのエンジンを積んだ耕運機。排気量パワーは10分の一。勿論乗用はできないが、車検も保険もいらない。
 
 
 年に4,5回。こいつで畑を耕運できて大変助かっている。他人から測れば不釣り合いなトレードかもしれないが、乗らない大型バイクよりも役に立っています。

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