古民家村二軒目に向かう。通路だけは雪がかかれているが周りは1m以上の積雪がある。
途中水車小屋や物置のような、作業場のような建物もあるが、除雪がされていないので遠くからしか見られない。
二軒目の前に立つと、玄関の引き戸は閉じられていた。一軒目は写真にあるように、どうぞ見学してくださいとばかりにオープンに明け放たれていたのだが・・・・。
開けて入ってしまおうか、と引き戸に手をかけると。中から婦人の話す声が聞こえた。
取り込み中かな、入るのをためらっていると、引き戸ががらっと中から開けられた。
「あれ?お客さんかえ?」
「まあ見学させてもらってます」
「入館料払ってきたかえ」
「え!そこに駐車場あったからそのまま来たのですけど・・・どこで払うんですか?」
「まあ 、ええ、入りな」
その建物は、元は染物屋さんだった。先の建物の馬が飼われていた部分と人夫の控室位の面積に、染料が入っているカメが地中に埋め込まれている。
これは展示物ではなく、実際に染物教室がここで実践される、とお母さんは話してくれた。
地元の婦人二人は、今日は午前中郷土料理教室がこの建物で開かれており、今日のグループは全員年配の男性8人であったと言う。
講師の二人は後片付け中なのだが、囲炉裏には、鍋が掛けられ、何やら串に刺して焼かれている。
「これは何ですか???」
と尋ねると、それには答えず。
「博物館の所員が昼ごはんを食べに来るんだけど、遅いね。」
「一杯あるから貴方もめしあがっていきなさい」という。
いきなりやってきた入館料も払わない輩に、御馳走してくれるという。私だって恥も外聞もあるから、躊躇、遠慮申し上げている間に、焼き串と汁がお膳に載せて目前にさしだされた。
「それでは有り難くいただきます」といって厚かましく御馳走になることにした。
焼き串は、うるち米を練ったものに甘く味付けした味噌をつけ焼いたもので、頂くと、また別の香ばしさがある。聞けばエゴマも入っているという。
「しんごろう」という料理らしい。
汁のほうは、味噌汁に野菜が入ったもので、何てことない(失礼!)見た目なのだが・・・・。
これは、と尋ねる。
「クジラ汁だ」
「くじら????くじらって何ですか?」
「クジラはクジラだ」
「海にいるクジラですか??????????」
私はどっちの海に向かおうと、100km近くある内陸の会津地方の雪山の中に居て、その土地の郷土料理を頂いている、という状況の中で。「鯨」という言葉はどうあっても即座に出てくるわけもなく・・・・・目を皿のようにして、箸を使って汁の内容物を浚うのだった。
大根やら白菜を一個一個確認しながら、汁の実を食べていくと、爪の大きさ位に短冊に切られた白いものを一片発見。黒い薄皮も付いている。
これだ!と舌を繊細にして味わう。トロっと舌の上で溶けた。
こういうご時勢だから、彼の地でも、鯨肉は貴重品で滅多に食べるものではなくなっているらしい。
コメント
☆こんにちは~★
めっちゃ、美味しそうやな~
PS.真央ちゃん「銀メダル」やったね!