屋久島紀行2 行程変更

LIFE
 5月4日。内地は寒気で大気が不安定、という予報だったが。屋久島は南国らしい青空が広がっていた。
 
 さてまずは買い出しそして昼飯だ。しかし時刻はまだ10時前。時間はたっぷりあるが、昼飯には早すぎる。
 
 そこで循環バスを空港で30分待つ。島内の主要な町や路線図などは大体頭に入っている。アノあたりのバス停で降りれば、登山用品の店が近いはず。絶対必要なものは、ガスボンベと登山地図。それ以外必要なものは背中のザックに入っている。あとは美味しそうなオカズがあれば買い足そうか。 
 
 天気も最高。島だし昼飯から地魚の刺身定食なんか良いね。今日はそんな歩かないから昼飯+「生ビール」の誘惑に耐えられないだろう。などと、ここに至るまでの節制生活から自ら禁を外し。オフですから、休暇ですよ、昼酒何が悪い、運転もしねえからな ・・・・と涎を飲み込んでいる自分が居た。
 
 アタリをつけてあるバス停に降りる。同乗していた空港からの他のハイカーがもっと手前で皆降りてしまい、一瞬不安になるが、自信はあったのだ。
 
 しかし見知らぬ初めての土地に、バスから降り立つというのは、そう簡単でもなく・・・・・・あれ?これは先に行けばよいのか????いや戻るのか???。
 
 一度先に向かい・・・・・・・いや、と引き返し・・・・・・やっぱ先だろ!。
 と行って返していたら、バス停先にタクシーが止まった。
 
 「お客さんかい。迎車頼んだの?」
「私じゃないけど。     ガスボンベ売っている店は何処かな?」
「それ手前200m位の左側」
「ありがとうね」「買い物して飯食って、午後にタクシー頼んで入山口に入ろうと思うんだけど。どこへ行けばタクシー捕まり易いかな」と聞いた。
 
「・・・・・・無理なんじゃない・・・・・・GWだし 今日は何処も目一杯。この島にタクシー25台しか居ないからなあ・・・・・・・・」
 
 ・・・て。余裕が一転「焦る」状況に。聞けば、この車を予約した御仁は、私と同じ登山口へ行くとか。
 
 「あれ、それじゃ相乗りさせてもらうかなあ」
 
 運ちゃんは「良いよ」とまだ現われぬオーナーの了解を取る前に簡単にOKしてくれた。
 
 「あ!ダメだ、ダメだ。どうしても・・・・最低限燃料だけは買わねば、これから山で食事が作れない(世界遺産特別保護地域での焚火は厳禁である)」
 「昼飯食べてから、お宅のタクシー会社に電話してみるよ。上手く車空いてたら幸いだね」と言って別れ、登山用品屋を目指すも・・・・・・・・・・すげえ不安になってきた。タクシー捕まらず少々行程が遅れても、最悪午後からの登山バスで入山すれば良いのだと自分を落ち着ける。
 200mも行かないうちに、ガス有りますという看板があり。そこで地図はなかったが、コピーした地図は持参しているし。「最低限燃料さえあれば」と買い物を終える。再び街の方向に歩きだし、タクシーと別れたバス停に戻ってきた何気に振り返るとさっきのタクシーが走ってきてウインカーを出して止まる。
 
 「え!????」
 
 「居た居た。お店まで迎えに行ったんだよ捜したよ居ないから何処に行ったのかと思った」
 って。わざわざ私を捜してくれたとあっては、乗らないわけにはいかない(依頼したわけじゃないけど・・・・・気を遣ってくれたのを断る理由もなかった)。
 
 同乗者へ挨拶などしていると。運ちゃんが「山道に入るけど買い忘れた物ない?弁当とか大丈夫?」
 あ、そうだ地魚刺身定食・・・・生ビール……島昼飯食いたかった(今朝3時から動いているからな、無性に昼飯に期待が大きかったんだよ)こうなるならせめてさっきの店で缶ビールくらい買っておくんだった・・・・・・・・(´;ω;`)ウゥゥ。
 同乗者に迷惑はかけられず、少々の後悔は胸にしまって「ガスさえあれば大丈夫です。レッツゴーです」というのであった。

 

 登山口までは車で50分。金額で6千円近くなので、乗り合わせの意味は小さくない。
 この浮いた金で、下山したら絶対刺身定食。いや寿司を食ってやるんだ、とまだ後悔を引きずっている。
 
 ま、行程の変更というのは、ほとんどが遅れて・・・・余計な経費がかかって・・・。それがどうだ、予定より2時間も早く着き、経費も半額で済んでいるじゃないか、おまけに前の客が車中に忘れていったという登山地図も、運ちゃんに貰えた。潮目悪くないんじゃない・・・・・。
 
 入山の儀式。つまり山の神への詫びと挨拶を兼ねて「お神酒」を上げる。
 
 うーん美味い。ついでに昼飯の即席ラーメンも美味いね

 

 昼酒も効いてきて・・・・・・ この天気のよさ、午前中までの展開・・・・こうなればこの流れに乗らなきゃダメでしょ。清き澤水の流るままに。

コメント

  1. sna***** より:

    何という美しさ!息をのむとはこのこと。同じく麗しき水の都栃木にお住いのこちらの主様、この清水で一服されたでしょうか。さて、標高が高くなるにつれてこの南国チックな景観がどう変わるのか、興味津々♪

  2. kouda より:

    > sna*****さん
    山へ行けば、当然沢水をいただきます。日本の山の水はどれも、どこも美味いです。でも今までもっとも美味い、と思ったのは、飯豊・朝日など花崗岩の山です。ここ屋久島も花崗岩隆起の島であり、他の山同様、水も清冽で、美味かったです。

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