風のガーデン

LIFE

 私はテレビと言う物をあまり見ない。たまに見るのは、スポーツ中継と、NHKあたりの良質なドキュメント位なものである。

 実は二週間前から連続ドラマを珍しく見ている。倉本聰脚本「風のガーデン」。普段もう寝てしまっている時間帯なのでビデオに録画している。富良野三部作とも言われ、倉本氏の最近の言動からすると彼の最後のテレビドラマとも言われているらしい。

 「北の国から」とあまりに有名な代表作があった。全部見ているわけではないが、後年の作品は見ている。北海道に10回くらい行き、延べ数ヶ月生活していたので、思い入れが強い。ファンである。

 写真は北の国からで、黒板五郎が建てた石の家。ふらの市観光協会のHPから拝借しました。

 文章に上手く出来ないが、倉本作品に共通しているのは、普通の市民が内地よりちょっと厳しいが美しい郷土の中で、コツコツ前向きに、背伸びをせずに生きていく。北海道に住み、道産子と一緒に暮らしているからこそかける脚本だと思う。

 だから美しい風景ばかりでなく、登場人物の何気ない仕草、会話、仕事ぶりに、その背景にある自然の厳しさ、慢性的な不況構造、そして人間の弱さと強さを感じてしまい。感動的なシーンでなくて、何気ないシーン、何気ない会話にさえ私は目頭が潤んでしまうのだ。

 こう見えて涙もろい一面もあったのだ。

 題名にもある主人公の娘が育てる「ガーデン」はまだチラリとしか登場しないが、北海道の自然や遠景に合った「イギリス風ガーデン」のようだ。
 現在私仕事で、イギリス風ガーデンのプランニングをおこなっている最中でもあり、その意味でも興味深いのだ。

 
 そのチラリと映ったガーデンを見て、我が女房殿は、
 「あういうのも良いな、あんな庭造ってよ」と軽薄に言う。

 彼女には、ちょっとラフっぽく見えるそのガーデンが簡単にできる、と見たらしい。

 ちょっと前にも書いたが、一広の花壇でさえ、雑草だらけにしてしまいそうな御仁にはどんな庭さえ造ることはできない。

 私は外構工事を生業としているが、構えや庭のベースは作っても「庭」を造ることは興味が無いし、仕事ではないと思っている。庭を造り上げる、造り続けるのは、その家人でしかありえない。

 そういう意味では、庭はその家族のライフスタイルがもっとも色濃く見える部分だと思う。

 家作りもそうだが、自分の作業で、自らが作り上げる自由度は庭の方が遥かに高い。

 私の仕事は、「庭」のベース造りのお手伝い。だから、和風でも、イギリス風でもそうしたビジョンがある方は困らないのだ。
 

 外構建設予算は無いよりあったほうが良いが、無いから、大した物はできないと卑屈になるでなく、今は無いが、将来こうして庭を発展させたい、と言う物を持って頂けるほうが、私もそれでは今回ここまでやった方が良い、とアドバイスできる。

 つまり庭は、住む人のライフスタイルそのものなのだと思う。地べたと空気で隣人と接し、遠景でその地域に接する。人と土地と触れ合って生きている形がそこにある。人が死ねば庭も無くなる。

 囲いや門など造作物を作るのが、庭造りと我が女房は思っているらしい。

 下草を刈り、キノコを育てる雑木林。草地を開墾した畑。
 これも土地と生き方に沿った庭造りの一環なのだが・・・・。女房殿が気がついていただけるのは何時の日になるか??????。

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