日光市文化財家屋の風呂場が完成

WORKS
 昨年来、ボチボチと大工工事の進行に合わせて取り組んでおります日光市文化財家屋。風呂場が大体になりました。

ビフォア

前に紹介した話題ですが。ここの風呂場は、古の左官屋が砥石で研ぎだした「研ぎ出し工法」の腰壁をレガシーとして残すこと。そしてこれまた古の大工が組んだ天井の見事な造作を、現代の棟梁が再現。と、この家の中でも私が見るに、古今の匠の技が融合される「見せ場」になっていると思います。
 
 それだけに、当社の腕の見せどころ、と自負してかかりました。
 デザインはお任せでなく、施主様の好みのタイルとか色とか、打ち合わせは重ねております。前に書いたように第三軸といいますか、私の中に大雑把なイメージがあり。ブレずに持ち続けているとお客様も、イメージを構築しやすいものです。
 
 何日かに分けて紹介で、出し惜しみしますが・・・・・・デザイン上のキーポイントは
現代のタイルを使いながら
 
1、アンティークであって、モダンでもある
2、落ち着いた大人の雰囲気
3、左官技法の競演
 
 今日は床に使った左官技法の紹介です。洗い場床には、「洗い出し技法」を選択しました。研ぎ出しが化粧砂利入の硬化したモルタルを削って磨くのに対して、「洗い出し」はモルタルに伏せ込んだ化粧砂利が固まり切る前に、砂利の上半分のセメントを洗って、表出させて残す技法です。
 
 自然石ですし、滑り止め効果もあり、水勾配もつけやすい。ここの床はこれしかない、と最初から思ってました。色合いもモノトーン基調で統一していきます。
 それから研ぎ出し壁に開けられた手すり等の取り付け穴。白セメントに赤の顔料をいれ、かつ墨汁を2滴ほど加えて小豆色を再現。リペアしてみました。↓

コメント

  1. sna***** より:

    リフォーム部門でもじわじわとランキングアップしてきてますね(^^)やっぱりいろんな「違い」「お仕事ぶり」の結果ですね。墨汁2滴の醸し出した色合い、ここに至るまでの試行錯誤を思うと、頭が下がります。続きが楽しみです。

  2. kouda より:

    > sna*****さん
    墨汁2滴は、全くの「勘」ですね。濡色なので、渇いた時に仕上がり色がどうなるかは分からない。まあ偶然似てよかったね・・・ということでした。続きもお楽しみに。

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