バイオマスボイラーはやっとスタートラインに

STOVE
 昨日まで見て頂いたように、日本ではまだまだ珍しい木質チップボイラー。設置がすんで、ほぼ完了・・・・・・・とはならないのが実情なんですね。
 国の補助金制度を使ってますので。つまり簡単に言うと、単年度決済の補助金ですので、受ける際は、何が何でも期日までに設置を完了して、代金を払った領収書がないと補助金受け取れないんですね。それは間に合ったみたいですが。機械だけ設置できれば、事業が進むというものではありません。機械だけ先行せざるを得なかった事情です。
 特にバイオマス関連は新しい産業、それも化石燃料どっぷりの社会から転換させようってわけですからそう簡単じゃない。石油系ボイラーなら、無数のエンジニアリング会社があって、設置すれば、燃料屋さんが電話一本で配送してくれるでしょう。木質ボイラーは動いたけど・・・・・・・・・・これから稼働させるには、いくつもの問題をクリアーというか、工程を自分たちで作り上げねばならないのです。

 例えば、燃料ホッパーに大型ダンプで投入できる・・・・・と書きましたが雨の日、大雪の日どうしましょうか?営業を休むわけにはいきません。幾ら未乾燥材も燃やせるといっても、水を一緒に投入しては壊れます。屋根かければ・・・・と言っても、大型ダンプがダンプできる建家って、相当な高さです。積み込みも建家内で・・・・・環境整備は相当条件厳しい。
 
 燃料の供給もまだ道半ばなんですね。オーナー会社さんが、温泉施設一帯の山林をお持ちなので、燃料も自給できる、ということも導入の後押しになったんですが、設置を請け負った林業会社側も伐採枝とか、製材クズ、間伐材も利用できる、というのが動機になっているのも事実です。しかし黙ってそうしたものが集まってくるわけでなく、・・・つまり破砕してチップを作ったりストックする工場というか部署が必要なんですね。
 裏山に産地があるから敷地内に作るのが合理的ですね。しかし内製材だけでは足らない、あるいはチップにしてはもったいない材も出ます。つまり山から出て行くものもあれば、外から持ち込むものもある。 安定した燃料をゼロから作り上げることが如何に大変か想像できましたでしょうか?。ここの燃料を供給し、管理するのは、随時2,3名計算しないと???と勝手に計算しましたが・・・・・・それ以上かも(カロリー対比のコスト(油*木質)よりも管理費というか人件費の合理化が必要に見えました)。設置を買って出た林業会社側もこれからが正念場という気持ちでおられる様子。
 ここからがスタートなんですね。卵か鶏か、じゃないけどやはりバイオマスボイラーがあってこそ、各種のパートというか産業として成立させる動きが進みます。絵に書いた餅では、誰も投資も、話にも乗ってきませんから。山梨の動きは我々も参考にさせて頂くし、先頭ランナーは大変ですが、是非採算ペースに乗せていただきたい、期待しています。

 温泉の奥には、キャンプ場も作りコテージも1棟できてました。このさらにまた奥で進む燃料樹木を伐採した後には、桜と紅葉を植林して・・・・・・というさらなる計画があるとか・・・・。さすがここの社長さん。20年先も見据えたビジョン。一面桜、そして秋の紅葉・・・・・・さらに多くの人の心を捕まえることでしょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました