今日は先日納品したヘリテイジの火入れ式。
が、何時もより忙しない。というのも新築家屋の引渡し式も同時執行中。
忙しくなってしまったのは、ビルダーさんも石のストーブを体験したい、と申されて・・・。
鋳物ストーブは、耐火セメントで接着されている。このセメントは基本的に熱を受けて本来の強度になるから、一回目の火入れはあまり高温にすると、鉄の伸縮とセメントの硬化が逆方向に働き、剥離することがある。それで慣らし焚きするのが原則。
特に構造体にソープストーンを使ったストーブは、セメントの問題に加えて、自然石であるから、石の目に見えない穴や、クラックに持っている水分がいきなり沸騰状態になって破損事故に繋がる。
輸入元の言によれば、「熱に関しては鋳物より強度はある。しかし破損が起こるのは、最初の水分を飛ばさずに、いきなり高温で焚いた時」だそうだ。
みなさんソープストーンのストーブを使うときは注意しましょう。あ、それとシーズン初日も同様の理由で、いきなり高温にしてはいけない。
そんなわけで、今日は引渡し式の前に現場で、軽くひと焚き。セレモニーのインターバルを置いて、再び訪問して二度目の点火からレクチャーする、という二段構えの作戦。
一回目は午後1時点火。住宅地なので、上から着火方式
コメント
どこまでも丁寧なお仕事ぶり、いつもながら感心して読ませていただきました。ところでスミマセン、質問です。『住宅地なので上から着火方式』というのがよくわからないんですが…。上から着火すると煙の出が少ないんでしょうか。それと、『火入れ式』って、何か特別な儀式を執り行うんでしょうか。おくどさんに初めて火を入れるときは、なんだかあったような気がするんですが…。
何はともあれ、無垢材の新築家屋にどっしりと構えるヘリテイジ。これからこのご家庭の暖かな団らんの傍にいつもいて、確かな家族の記憶を紡ぐお手伝いしてくれますね。おめでとうございました。
> sna*****さん
「上から着火方式」というのは、基本焚き火でも、下に火種を置いてその上に杉の葉や木っ端燃えやすいもの、その上に細割を置くのが基本です。下の炎が上の木を炙って早く点火させる。燃え上がれば、さらに太割を追加します。炎は上に上がるからそのほうが早く点火します。これは焚き火の基本です。
但し・・・・・この方法だと、燃えづらい薪が上方にあるため長時間燻りますね。煙突から煙が出る時間が長くなってしまうわけです。
逆に太割細割焚付と下から組んでいくと、炙られず炎が上から下へ広がっていくので煙の発生が抑えられるのです。勿論乾燥した薪の使用が大前提です。
火入れ式は、私が祝詞をあげても良いのですが。要求されたことはないです。(^_^;)一般に初火入れを家主にやっていただきながら、点火法・使い方・注意点などをレクチャーいたします。