最近の仕事から
「コンクリートの打ちっぱなし仕上げ」 というのがある。
本来コンクリートというものは、強度的には申し分なくても・・・・。
元が粉体のものに水と骨材を加えて液体化し、それを枠に入れて化学反応で固体化するまで動かさず保持する、というのが基本製法である。
そのため、出来上がった表面は所謂コンクリート肌であったり砂利が少し覗いていたりする・・・・。あくまでも躯体、構造体いう位置づけであるから、仕上げの工程を加えることが多い。
ただ稀にそのまま仕上げにするための工法もある。
一つが「化粧型枠工法」で、砂防ダムや擁壁、堤防などに使われる。つまり発泡スチロールの枠材の表面が岩肌のように凸凹になっていて、ここにコンクリートを流し込んで、外すと岩肌のようなコンクリート面が出来上がる。
もうひとつ時々目にするのが「スタンプ工法」 土間コンクリートの仕上げに使われる。土間コンクリートを打設してフラットに撫で上げたら、やはり凸凹した岩肌や石畳形状のゴム版を押し当てる。バイブレーターをかけてエアを抜き、頃合いを見てそっと外すとコンクリ面がその形状になっている、というわけ。これには形だけでなく、スタンプを押し当てる前に、その岩に似せた色粉をまぶすのだ。こうすることで、本物の石っぽいコンクリートに仕上がる。
建築単価的には、安く仕上げるので良く引き合いがあるいが、あくまでも大面積施工する工法での単価なので、一般家庭のアプローチになんか施工しようとすると、本物の石を貼った方が安かったりするから素人さんは飛びついてはいけない。小面積には向かない、ということ。
そして「コンクリート打ちっぱなし仕上げ」という仕上げ法。
最初に書いたように、液体の生コンの形状を保持するために、板で型枠を作って、それを並べてつなぐ。かつそれが重量で孕まないように、両側の板材をボルトナットで互いに結束する。
通常型枠用のパネル材は1800mm×900mm でできているから、このサイズでつなぎ目ができる。その中に4cm位の丸い跡が見えるのが枠貫通ボルトナットを塞いだ跡だ。
ビフォア
先に書いたように、本来は本来は裏方で見せずに美装することが多いコンクリート面を敢えてむき出しにする、という「ラフ」さが粋の仕上げ法なのだ。
が、オーナー命令で、「補修しろ!!!」ということらしい。
これを直す、というのは無粋で、通常かえって見っともなくなる、わけだが・・・・・・・こうした日本人も結構いる。
潔癖すぎる‥‥意匠がわかってない・・・・センス悪! ということなのだが・・・・・オーナー命令だかんね。
それに下請けだし・・・・。
私が請け負い会社だったら絶対拒否するんだが・・・。
左官屋がやってみるというから任せてみた。
アフター
監督は良くなった、といっていたからこれで良いのでしょう。
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