昨日よりつづく。
そんなわけで、壁だし煙突を外部櫓で受けてチムニーファンにて排煙する、ということになりました。
が・・・・言葉でいうほど簡単ではありません。
もともと出来上がっている建家の中に煙突を通す、というのは簡単でないのです。
一番難儀なのは、既存の柱・間柱・梁・母屋・垂木など構造体を痛めないように逃がさなければならないこと。どうしてもぶつかる時は、その分の補強工事を入れたり、逆に、オフセット役物、といいますが、曲がり部品などを使って煙突を「逃がす」経路を作らねばなりません。
それでも屋根抜きの場合は、天井裏に潜れば、構造体の位置関係が把握できるので、事前に大方の設計ができます。しかし壁抜きの場合壁の内部は穴を開けるまで見えません。もちろん在来工法や2×4とかハウスメーカーがどこか?など事前の情報で内部を推察して穴あけ位置を決定するのですが。
やはり何割か、「開けてびっくり玉手箱!」ということはあります。
今回は、電灯スイッチやコンセントが集中しているところがあったので、その部分は何もないだろう、と判断して穴あけ位置を決められました。
それでも、小さい穴を開けて、壁内部を探りながら広げていくのは、いつもどおりの手法です。
が今回、穴の左右に、そうした器具を取り付けるため付けられた木製の間柱が出てきました。
鉄骨構造でもこうしたところはやはり木が使われるのです。
重量がある二重煙突は、最低二箇所で躯体に締結するのが流儀なのですが、今回は望外の偶然というか、壁内部で締結金物を間柱に繋げることができました。
通常「参ったなあ・・」ということのほうが多いんですが。今回は「ラッキー」でしたね。
もう一箇所は、外部の櫓で締結するので、これで保持の問題はクリアーなのです。
この貫通箇所というのは、躯体の都合だけで決めているのではありません。横引きに出て行った先の櫓との位置関係も無視してはできません。貫通部造作を優先させて、その後それに合わせて櫓を作れば、良いのですが。それほど悠長に工事はさせてくれませんから、最悪櫓の基礎部分で高さ調整しようと予め作って持ち込みます。
↑できてしまえば、なんてことない図です。が
①ストーブ置き位置
②躯体貫通部の位置決め
③櫓との前後左右、高さ の位置関係
切ったり貼ったり、できない二重煙突だから(通常1m0.5m0.25m0.15mの長さの組み合わせで煙突を構成する)
3次元パズルなんですよ。これを決めていくのに、現場で何度も採寸し、絵に書き・・・・・・・硬直しかかった頭をフル稼働してます。
完成形
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