今市扇状地の清流傍らで育ったものだから、海よりも山よりも綺麗な川に思い入れは強かった。何時かスイカやビールが冷やせる川水が流れているような家が欲しいな・・・・と若い頃から思っていた。
15年前に建てた家には水は流れていない。それが唯一の心残り・・・・・・。
しかし、小川はリスクと表裏なんだ。
私みたいな願望を叶えた人もいるだろうが、気をつけなければならない。
こちらの現場、隣家との竹垣の更新工事で入ったのだが、玄関アプローチ脇の列柱が15本中一箇所5.6本沈んでいるからついでに直して置いて、というオーダーを受けた。
竹垣よりも、実はこの沈下の方が気になっていたのだ。根元はコンクリートで巻いたはず、という造作なので、簡単に沈むわけがないと施主様は言う。幅50cm位の小川が流れは1.5mも離れているし・・・・・。
しかし私は最初からこの水を疑っている。
施主様は、子供でも跨げる流れだし・・・・・その堀の両側には、石垣が積まれていたし・・・・1、5mも離れているし・・・・先の業者が基礎部分の土固めをサボったのだろうと・・・・・・・私の見立てに懐疑的であった。
しかし柱を掘り出し、底を固めるために周りを掘り下げたら・・・・・・驚いた。
柱の下はわからないが、川より遠い家のアプローチ土間コンの下が幅1m奥行1.5mに渡って15cm位の空洞になっていた(゜д゜)!
その時の写真はないが、慌てて現場に行った時は、職人がコンクリートの下へ砕石を詰め込んでいた。↓
まあ水で土がさらわれて陥没中ならあまり意味がないフォローなんだが、空いたまま蓋はできない心情にはなる。
その流れをよーく見ると、側壁の石積みも、目地部分が空いているのがわかる。やはり微細に水によって動いているのだ。
水の流れは、幅○○cmだと思ってはいけない。例え側壁があっても、その外側まで水は浸透し、そして僅かであるが、土や砂を動かしているのだ。
こんな位置関係。これだけ離れていれば関係ないだろう、と考えてるのもやもえない。
このまま砕石やコンクリートを打って、上にまた柱を立てても意味がない。
一応基礎にはベタコンを打ったが、上部まで一体化すると今度はその重みで沈下を促進するから、中間部は砕石を充填、上下の縁を切って、土間コンクリート部分に横から列柱もろとも串刺しにアンカーを打ち込んで、ここで保持することにした。
↑土間コンの厚みは10cm下のグレーの砕石はそれ以上の厚みである(つまり15cmは陥没していた)
地下で何があったかわからないようにリペア
小さくても流れのある近くに造作物を作る時は注意しよう。
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