湧水の流れの真ん中に掘られた井戸へ漏水を止める。と言う工事の話題を一昨日書いた、その顛末である。
悩ましいのは、長靴のくるぶしまで潜ってしまう軟弱な地盤である。中途半端な土台を作ってもしばらくの後には下を流れる水によって崩れてしまうだろう。
といって強固な基礎を作るには、機械も入らないし、生コン車も入らない場所だから相当な予算もかかるが、その予算がない。
それで私が選んだ工法は、名付ければ「重力式ロックフィルダム工法」。
黒四ダムのようにアーチ状のコンクリートの壁で出来ているダムもあるが、土石を積み上げてダムを作ってあるのを見たことはないだろうか?。これを重力式ロックフィルダムという。コストが安いこともあるが、地盤が軟らかい所・断層が近くにある場所などに採用される。
つまり井戸の周りの土留がある程度沈んだり動いたりしても、そのまま追随して自重で押さえ続ける。そうした構造にしようと考えた。
使った製品は、用壁用空洞ブロック。これはセメント使わずに、積み重ね空洞に砕石を充てんするだけである程度の高さまで用壁が作れる。
これを二段積み、その上に栗石を重ねることによって、表流水により井戸周りの浸食を防ぎ、かつ表土の流失を抑えようという考えだ。
ブロックの横方向は軽く結束するが、基礎は現場の石を突き固めるだけだ。それを栗石の重みで押さえつける。長い間には多少不等沈下するかもしれないが、バラバラになったり流されたりはしない、だろう。
井戸管理組合長も満足しておられました。めでたしめでたし。
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