従業員が先月退職してその補充がすんでいないので、仕事自体は暇なのだが、野暮用が忙しい。
そうした中、今日は何人もが相談にやってきて大変忙しない日であった。
まずは、霧降高原に別荘をもたれている社長さんが、庭作りの相談に。
川の自然砂利が欲しいと言う。
砂利を商っているから簡単に思われるかもしれないが、実は結構難問なのだ。
川で浚ってくれば良い、と思ってはいけない。川の中のものはすべて国有財産。管理者は国土交通省。
勝手にとれば立派な窃盗罪になる。素人が漬物石用に2,3個拝借しても黙認されようが、建材屋がやっては新聞ネタになってしまう。
川から払い下げ、つまり国から買って砂利製品を作っているわけだけど、砂利工場といのはオートメーション化されていて、原石を投入すると、売れる製品になって出てきてしまう。大の小の混じった砂利というのは出てこないように出来ているのだ。
そう説明しても、どうしても、というので、払い下げで買って運んできた原石の山から、手で拾い上げる、という手間のかかる作業をして要望に応えることにした。
そんな話をしている所に、今度は、耐火セメントが欲しいという方がやってくる。素人が簡単に使える材料ではない。聞いてみると案の定石窯を作るという。
窯だから耐火セメントが必要。そこまでは良い。でもね。こいつは通常のセメントと違って火で焼いてこそ硬化するものなので、内部は焼けば固まるが、外側は固まらない。
そこで工法を伝授。加えて露天だというから、これもダメ出し。
耐火煉瓦は火には強いが、水には弱い。寒冷地では一冬で凍結融解してしまう。
屋根を掛けない場合の対処法も伝えた。
と、今度は、古民家を自分で改装してレストランにして人気スポットに仕立て上げたオーナーシェフがいて、数年前材料を買っていただいたのだが、一部改装したいとのことで再訪。
色々意見交換をして、朱色の壁材さらにベンガラという古来の赤い色材を入れ、さらに麻すさ入り、という仕様になった。
一般家庭ではまず使われない色だが、創作料理で、評判をとっている店である。オーナーのセンスは店内作りでも評判をとっている。
良いんじゃないかなあ。合うと思うよ。仕上がりが楽しみである。
あーーー忙しい。
写真は、昨年施工した別の現場だ。一般住宅だが、オーナーの要望により朱色に塗った和室。一部紫色。派手な色だが、中途半端な色より、良いかもしれない。
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