ドタバタ店舗改装日記 6 先ずは壁漏水対処

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 水害をもたらした大雨。工事中の店舗内は水浸しに・・・・。開けた土曜日ようやく漏水止めの工事に取り掛かれる。
 しかし・・・・雨漏り、というのはリフォーム工事の中でももっとも難しいのである。
 全部取り替えるなら簡単だけど・・・・本体を残したまま漏水箇所を手当することや、漏水経路を特定するのも難儀なことが多いのだ。
 
 当社外装仕上げは、専門的になるけど、ボーダーという細長いタイルの縦貼。それも目地なし施工。当然防水効果は全くない。
 こうした場合。タイル間の目地部分が透いているわけで、防水機能は、下地モルタル、というよりモルタルの骨になっている。昨日の写真にも見えるけどトタンラスだ。モルタルはクラックが入りやすいので、防水機能というは、本当は期待してはいけない。
 このトタンが裏側でC鋼と呼ぶ、建物のアバラ骨にビスと溶接で固定され、表についているラス網にモルタルが塗られて外壁を構成。そこに仕上げにタイル貼り、という壁の構造になっている。
 40年前なら一般的な工法である。しかし東日本大震災で、このラスの横の繋ぎ目部分が破断した。波状のトタンだから縦方向の繋ぎ目は強いが、横は弱い。
 モルタルが破断しても、トタンラスは、上から被さるように重ねていくので、漏水はない!はずなんだけど・・・・・・先に書いたように、躯体内部での結露が40年繰り返されると、内側から錆びて穴が開いているのだろう、と想像した(赤錆が多く発生した部分だろうけどおそらくC鋼の止めビス側なので、ピンポイントで特定はできない)。
 
 先ずは、タイルを削って、モルタル面を出す。当然だけど破断している溝が顔を出す。

幸いだったのは、ほぼ一本綺麗に横に走っていて、縦のつなぎ目方向には僅かしかクラックは伸びていなかった。これならば、この溝を埋めるだけで漏水は止まるだろうと診断した。

 埋めるといってもまたセメントを盛るのではない。先に書いたように、モルタルの防水機能というのは、全く当てにしてはいけない。そんな業者が居たらレッドカード(実際沢山いるから注意しようね)。
 
 ちょっとだけプロのやり方を披露しちゃいます。

 まず溝を下地のトタンを傷めない深さまでVカット、逆に溝を広げるのだ。グランドキャニオンじゃないけど、谷を大きくしてしまう。そこに今回はアスファルト系の防水剤(歯磨き粉みたいなもの)を充填。それが少量だと伸びきれず切れるとなんにもならないので、逆に谷部分を広げてたっぷり充填してやることで弾性充填機能が発揮できる。さらにセメントと接着性を高めた別のアスファルト系プライマーも既存モルタル面にも塗り広げる。

 つまりクラックが地震等で広がる方向に動いても、半練状態のアスファルトが追随して、かつモルタルの下地全体にアスファルトが繋がって一体化した防水皮膜を作るんだな。

 そこにさらに、防水剤を添加したクラック防止機能を持つ特殊なモルタルを塗付け下地の完成。
 乾燥させて上に新たなタイルを貼って補修完了。時間にすると一日掛からないくらいだが・・・・・・長雨のおかげで出来んかった・・・・。

 それでも不安なので外から散水して漏水チェック。


異常なし、無事漏水補修完了!。これでやっと内装工事が再開できるようになったわけだ。が、もう9月12日になっていた・・・・・・・・・続く。

コメント

  1. sna***** より:

    今日の行程は素人にもとってもわかりやすくて、こう言ってはなんですが・・・面白かったです。そっか~、セメント厚塗りして上にタイル張り付けるだけじゃ全然ダメなんですね。大きな外科手術を執刀する名医の腕前見せていただいてるような、緊張と驚き、そして安堵感の今日の内容でした。立派な社屋が見栄えよく修復できて良かったです!

  2. kouda より:

    > sna*****さん
    前回貴方に、素人には難しいとコメント頂いたので、今回写真多く、少しでも分かりやすく書いたつもりで、それが奏功したのであれば、嬉しいです。
    セメントは強固ですが、粘りが薄いので鉄筋やラスなど芯を入れて使いますね。それでもマイクロクラックは避けられず、またコンクリート自体は小さな気泡が空いているので、強固なコンクリートでも1-2cmは水が滲みるものなのです。
    ですので破断したモルタルなどにまたセメント系を重ねても水は止まりません。逆に柔らかく追随する素材を挟むのが基本です。
    でも記事にも書きましたが、漏水の補修は大変難度が高く、できればやりたくない工事の一種ですね。

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