石の街

LIFE

 花崗岩というのは、地球の深層部で形成された岩で、世界中に分布している。日本では御影石とも呼ばれ古来より建材として用いられている。

 日本各地で産出するが、ここ関東圏では、茨城県・笠間市、真壁町が有名である。筑波山の北側に連なる山地と言えば、わかりやすいかな。

 産出地があれば、問屋もできる。昨日は、次の外構工事に使われるであろう材料を見つけに茨城県・真壁(合併により桜川市)に行ってきた。

 世界中で取れると、書いたが。微妙に成分が異なり、白色・黒・赤・桜・サビ色など様々な色というかテクスチャーがあり、緑や青、紫・・・・・などもありそれは大変多くのバリエーションが存在する。(中には、学術的には別の石でも建材として花崗岩や英名グラニットと呼ばれ花崗岩として流通しているものもある)

 現代の石材問屋だから、石の町だから地元の石ばかりおいてあるわけもない。世界中の石をそろえることも可能だ。

 日本で産出する花崗岩は、大部分白色が多い。和風庭園の灯篭やお稲荷さん、石仏、観音像などなど御影石で作られていることが多い。当然問屋にはそうしたものが林立しておいてある。しかしながらそのほとんどは、地元の真壁石ではなく、メイドインチャイナ!なのだ。

 真壁の石屋さんが施工した墓だから、国産とは限らない。真壁石を使っているという確約が無ければ怪しい。

 食品などと違って毒の混入や石質に問題があるわけではないが、墓石の産地にもコダワリがある人は、注文・見積の際にちゃんと指定しておいた方が良い。

 彼の地の圧倒的コストパフォーマンスには太刀打ちできず、地場産御影石は大変苦しい。

 以前は石材と言っても、中国産はタイル状や舗石の類が中心で、それも質がイマイチだった。まして観音像など彫刻的な製品は、グレードが明らかに劣っていたのだが・・・・・この10年の間に、そうしたものの工作精度や、作品としての出来栄えは、向上めざましい。
 写真の観音像など、その精緻な刻みとプライスタッグには、驚くばかりである。

 二枚目の聖母観音立像は9mあるが、400万円余!。日本で作ったらその3倍はするだろう。

 しかし彼の地でも、石鉱山は、輸出が容易な臨海部の閉山や、人件費アップ、公害問題などで上昇傾向だという。

 世界中を席巻してきた中国製品。この街真壁もその波をもろにかぶってしまい、主産業が衰退久しい。石の町として賑わいを取り戻す時は来るのだろうか?。

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