ペレットボイラーの驚くべき燃料とは

STOVE
 昨日の続きの記事です。「超7」さんから書き込みありまして、それに関連して書きます。
 木材「チップだとさらにコストが削減できそう・・・」と書かれてました。たしかに一理あるし、正しいのですが・・・・。ペレット化するからこそ汎用性を持った燃料として利用可能になる、という側面を忘れてはなりません。
 イタリア製のストーブは電圧調整つまりトランスを替えるだけで日本で使用可能になる。これは燃料の規格が同じであるから可能になります。ペレットストーブもボイラーも燃料の形が同じであれば、いかなる原料であろうとも燃やせる汎用性が生まれます。
 チップとペレットも共に使える、となると燃焼室から搬送の仕組みから、タンクから相当難しい機械が必要となるでしょうね。運搬コストも膨らみます。コストが下がるかどうかは?です。
 
 ↓のボイラーユニットに入っていたのは、外見変哲もないペレットですが、その組成は製材クズや間伐材ではありません。
 ここは十日町。新潟県は全国有数のきのこ生産県です(ホクトとか雪国まいたけとか)。あちらこちらにきのこ生産工場が見られます。きのこは菌床というオガ屑から生産されており、発生し終わった膨大な菌床が産廃として処分されております。それを燃料として再利用できないか、というプロジェクトも新潟では進行中です。カロリーはバージンのオガ粉より低いですが、もともとは産廃。これまでは堆肥にするしか利用法がないのですが、堆肥化は膨大な敷地と時間がかかります。さばききれないものは、金をかけて焼却処分されています。それよりは燃料として再利用しようというアイディアです。ですのでペレット燃料の価格は勿論通常のものよりさらに安い。
 
 そんなわけで、山岳県であり雪国の新潟は、デメリットも逆手にとって利用していこう、というエネルギー自給の先進県になっている、と感じました。
 
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コメント

  1. 超7 より:

    詳しくありがとうございます。
    結局のところ、今の普及度合いでは、チップだとかさばりすぎて、運搬コストがペイしないでしょうし、おっしゃるようにペレットが最良だと思います。
    木質バイオマス利用が盛んになれば、大規模な施設などで生チップを使うようになれば、コストの削減が見込めますが、それには、かなりの投資が必要ですから、なかなか難しいのでしょうね。
    ペレットにしても、出口(消費口)を先に確保すれば、安定して経営できるのでしょうが、木質バイオマス発電のように、市場の競争原理が働かない勢力が台頭してきているので健全な市場が形成されるのか、ちょっと心配な感じがします。

  2. kouda より:

    おっしゃる通りだと思います。
    保護育成が必要な部門と市場原理が必要な時期って難しいですね。欧州で木質が盛んなのは、石油価格を高く(税金)を高くしている、つまり政策誘導でしょう。日本で今それをやったら反乱がおきそう。
    でも温暖化を防ぐためにも現行より木質系を増やすには、各種補助事業も必要だと思います(北国各県がおこなっているストーブ購入補助/発電所への補助金など)。誤解を恐れずに単純化すれば、温暖化に伴う異常気象による国家損失は毎年莫大ですから。
    チップは大量に出る場所で発電に使う。そしてもう投資の要らないインフラ=既存送電線に送る。ペレットは書いたようにローリーなどの輸送インフラが必要ですが。これも出口次第。ユーザーが増えれば、採算があう処まで来ていると思いますよ。

  3. 三蒲 より:

    こちらもペレット
    木材、竹のペレット
    再利用に取組んでいますね
    クーラーにもこの燃料がしよう
    もう現実的に使用されています

  4. 三蒲 より:

    こちら山口県は
    出来た温水でヤマメの養殖に挑戦
    今年は200匹に挑戦をしたようです

  5. kouda より:

    山形県飯豊町役場では、冷暖房すべての空調にペレット燃料が使われています。徐々ですが、ムーブメントが広がっていますね。

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