目的のひとつは原始温泉

LIFE
 相棒が一時間の藪こぎでへとへとになったのは、体力低下のせいではなく、手にスイカを持って沢を下ったせいである。
 しかし降り立った地点は本日の終点ではない。
「ここにデポ(一時的に置く)して荷を降ろしてから回収しに来よう」という提案に奴は、もう少し頑張るという。地図からするとあと1km位は歩かなければならない。
 
 今日の泊まり場は、この先沢が二又に分かれた左の沢のそのまた少し上。ここが目標である。実は今回の山旅にはひとつの目的地があった。
 それは「野湯」に入ること。原始温泉なんても呼ばれている。つまり自噴している温泉が具合よく岩の窪みなどに溜まっている湯をいう。この沢のどこかにそれがあるという。相棒のAとはこうした山行をよくやっており、標高2000m以上にある日本の野湯5箇所のうち4箇所に同行している。今回の野湯はあまり知られていないらしくネットの情報も少ない。 できれば、今日のうちに発見したいのだが・・・・・スイカに足を引っ張られて・・・・(;▽;)
 
 20分ほどで二又に着いたが・・・・哀れ・・・・スイカは割れていた・・(´;ω;`)。
 
 出合いから大岩の連続である、それとスイカにヒビが入って諦めもついたらしく、ここに冷やして帰りに食べようという提案に素直に従うAであった。
 しかし支流の沢に入り込むと途端に、先日の台風11号の影響であろう。多くの倒木が沢を塞いでおり、遡行はなおさらハードになっていく。そして温泉も見つからない。
 この沢は温泉水で濁っており、イワナは生息していないと言われているが、一方で「釣った」というネット情報もあった。これを確認するのも目的の一つなのだが・・・。
居そうになかった・・・・・・。温泉もなく、イワナも釣れない場所でキャンプするというのは、初期の目標が全く達成できない、つまり「最低の」野営ということになってしまうのだが・・・・・。
 しかしもう5時半。決断しなければならない。「今日はここで泊まるぞ」
続く
 
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