山羊 脱走す

TOWN

 一昨日のこと。

 私は仕事、女房も昼間一日中仕事だった。
 天気も一日もちそうだったので、山羊は綱をつけて放牧、雑草を食べさせていた。

 夕方遅く、女房が帰宅する。と庭先を2頭で遊んでいる。

 あれ???。

 綱はどうなった???。

 我が家の敷地に慣れたらしく外には出なかったようだが。人間関係にも慣れたようで、またつながれるだけだから呼んでもやって来ない。

 そこで女房殿の伝家の宝刀が抜かれた。

 給食の残りパン!!。

 「このパンが目に入らぬか」と掲げる。

 この効果は絶大。パンを見せるだけ。そのまま小屋まで歩いていくと、すたこら 2頭がついて来る。

 そうして小屋に入れ、ロックアウト。

 夜帰宅して、聞かされた話だが、にわかに信じられなかった。綱は「縒り線ワイヤー」で元々は大型犬用、早々ヤギの力で切れるものではない。

 翌朝見てみる。と女房の言うとおり、ワイヤーが切れていた。

 弟の方が切れて、離れてしまった。弟思いの兄は、どうにか弟を守ろうと、こちらは力づくで杭を抜き倒してきたらしい。

 この2頭。弟の方が少し頭が弱い。杭や立ち木にグルグル巻きになるのはいつも弟。

 これが原因だったようだ。毎日毎日ワイヤーが何度も鋭角に細かく捻じ曲げ続けているうちに、切断にいたった。雨だれが岩をも抉るように。

 昨日、新しい綱と、上部がリングになった鉄杭を見つけてきた。これを地上すれすれに打ち込めば絡まないわけで、最初からこうした杭を使用すればよかったんだけど・・・・・・

 ヤギ様にも色々教わること多いですね。

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