本日完成した工事をご覧下さい。
和風住宅の玄関前でございます。
「洗い出し」という左官技法で施工いたしました。これは粒の揃った砂利を塗付、硬化しきる前に表面部分だけ洗い出す、という技法でして。古はそのタイミングが熟練を要する高度なテクニックなんです。が・・・・現代ではそうした特殊な(砂利の底部分が早く硬化して、上面は締まらない、というモルタルが開発されておりまして。それなんで私でも失敗なくできます。
縁には御影石を回してメリハリをつけております。束石は、大工さんが調達してきた地元大谷川の転石「小豆石」のオーダー加工品です。
そんな種明かしをすると有り難みが薄れますが・・・・・。そんなこと差し引いても。やっぱり左官技法は素晴らしいね。
丈夫で、経年変化少なく、天然素材の味わいがいつまでも続く。
私がインターロッキング等セメント製品は余りオススメしないのは、何年かで薄汚れてしまうからです。
少々コストがかかっても、こんな玄関にしてみたい、と思いませんか。
良くみればわかりますが、土間部分と壁部分の砂利大きさを変えてあります。床が7mm、壁が4mm平均です。床のが大きいのは、滑り止め効果と見た目のため、壁を小さくしているのは、砂利が大きいとタレ易い、ズレ落ちてきてしまうため、施工上の理由で小さめを使ってます。狭い場所でも一回ではできない作業ですので、壁と床と二日に分けての作業になります。
コメント
こんにちは、ステキな階段ですね
> みゅーみゅーさん
予算内で、どれだけ喜んでもらえるか。当方の仕事冥利につきる部分です。
ほんとにしっとり落ち着いた仕上がりですね。ところで質問です。束石って、柱を受けるようにくりぬくんでしょうか。また、逆に、束石の底部は石段に埋め込むんでしょうか。どの目地・継ぎ目もまるで「生えてきた」ようにピッチりしてて…プロだから当然なんでしょうけど、いつもながら凄いな~って、ホレボレしてるsnaでした。
束石は大工仕事で当方の担当ではありませんが。ジャッキ等で仮に受けておいて後で石を滑り込ませるとか。最初からセットして置いて建てる等色々やり方はあります。
束石の天端中央には浅い窪みがあって、また柱材のほうも凹にくりぬいて置き「ダボ」という短い芯材を間に入れることで、お互いの凸凹をつなぎ、横揺れなどでずれないようになっています。柱材の下端を凸にしておくこともあります。
石の固定は基礎の上にセメントやボンドで固定します。セメントの面としての接着力は弱いのですが、最初の基礎は四角四面の「荒打ち」と呼ぶ下地です。そこに不陸を整えたり、水勾配をつけたりする「中塗り」モルタルを塗り、最後に今回ですと「洗い出しモルタル」をかけるので、束石の裾は結果として30mm位潜ります。これで束石も周りから押さえられるので横揺れに強くなります。
追加。今回柱の裾に銅板が巻かれておりますので「ダボ」か金物ボルトをダボ代わりに使って繋いでいると思います。先に柱の下端を凸にすることもある、と書きましたがこれは手抜きでして。在来工法の原則としてこうした場合。固く、腐り辛いダボを使います。つまり軒の下とはいえ、台風で水が束石にかかると、柱の下まで浸水するリスクがあり、束石の窪みに水が入らないとも限りません。それさえ嫌がる大工はここを貫通して水抜きにしろ、という方もおられます。
ダボを使うのは、柱材と縁を切っておくことで、柱材がこうした水分を吸い上げづらい(腐りに強い)構造にしてある、とも言えます。
「俺の仕事の範疇じゃないから知らないよ」って済ませないところが流石「なんでも屋よろずコーディネーター」(ちょっと違いましたか)国府田産業です。ご教示ありがとうございました。
> sna*****さん
パートだけやれば良い、というのが呑み込めないんです。やっぱり全体の流れでベストのやり方は?知っていたいんですね。自分だったらこの条件では、こうする。そうした判断は全体を知っていなければ、方針を「誤るわけで。」そんな性格なので「よろずや」になっております。