一昨日紹介の工事についてコメントが入り、今日はちょっと解説というか言い訳、を書いておこうと思う。
だいぶ詳細まで見てくれてありがたいことで、逆にいい加減な写真は載せられないぞ、と慌てているのだ。
まずは伐採樹だが、これを使ってベンチを作る!と施主様に言われてしまって。(直径15cmほどの樹なのだが・・・)私が残材を運んでいる間に、人の良い次元大介は中間部の丸太を縦に半割りにしていた。
サイズ的にどう見てもベンチには無理あるんでない???。余計なことしていると今日の行程が終わらなくなるので私は中断させたが、後になってみれば、中庭に溜まってしまう雨水はこの木の根っこの下にしか抜いてくるしかなく、やはり薪になるべく会社の前に転がっております。
スロープについては、実は工事自体が中途半端なのです。予算の絡みで、玄関門扉と土間コンまでしか出来なかったのが真相です。それと施主様が下の土地(側溝に接する部分)をどうデザインするか、あるいはどう使うかイメージができなかったことです。
それで将来的な展開で邪魔にならない程度に「納めておいた」というのが実態なのです。
スロープを本当に使おうとすれば、もう少し傾斜が緩いほうが良い。しかしそれを側溝に何処でつなげる、というイメージを現状ではもてていない。
新設した土間コンと既存の玄関タイルの間にも段差が残っています。
「意味ないじゃん」と言っている事でしょう。
最初は土間の左半分をスロープにしてタイル面につなげるつもりでいました。門扉も通常とは逆の外開きタイプにしてぶつからないようにしていたのです。
でも途中で止める事にしました。当面使う予定のない 繋がっていない上部のスロープだけ仕上げても、かえって右側土間との間に段差が出来て危険なこと。実際生活の中でスロープが必要となって下部が出来たときに、打ち足せば住むことです。傾斜もその時に緩く打ち足せますから。
というのが、内情の暴露です。
くわでん さん細かいところまで見てくれてありがとうね。
コメント
いつものこちらのあるじ様であれば、素人がみて不思議に思うようなお仕事はしない筈。なれば、理由あってのことだろうと思ったんですが、なるほど納得!
将来を見越してのことだったんですね~。ほんと、こういうお仕事をしていただける会社ばかりだと、頼む方も助かるんですけど。
実は、さる私立博物館に行ったときの事。【車椅子対応】と案内にはあったけれども、一階エントランス以外は段差だらけ。しかも、通路が非常に狭い。エレベーターは一基もなく、全て階段での昇り降り。かなり強烈な強制動線がしかれているため、一旦入館すると段差を避けて出口にいたることは出来ない。言葉だけの【車椅子対応】の実態があまりにも露骨だったので驚いた事がありました。
工事する側以上に、まずは施主の考えが大事なんだなと思った次第です。
デザイナーではないので、私が勝手に造作してしまうわけにはいきません。施主様に考えや使い方のプランが決まらないと進みません。
庭は連続的に繋がっていますから、単品だけイメージされて、その単品のつながりが悪い場合も困りますね。
多くの方が平面図はイメージできても、立体的な折り合いは考えていない場合が多くて、傾斜地や水の逃がしができない場合など、それを修正してもらうのが苦労しますね。