塀や外壁を左官塗りで、わざと鏝ムラをつける、という仕上げ法もポピュラーになっております。
日本の伝統技法としては、ちょっと亜流というかどっちかというと「御法度」的な仕上がり方法でして、年配者の左官屋には、「俺は平らにしか塗れねえよ、他を当たってくんな」なんて言われる方もおられます。
最近は鏝ムラ前提の塗材もあり、またそのパターンなんかが雑誌やカタログに載っております。これがまた状況を難しくしているわけでして・・・・。
ポイントは骨材の配合具合と、鏝の動かし方。
こうした材料はほとんどが骨材も配合できるようになっています。つまりコテ波を大きくしたければ細かい砂を多めに加えます。また表面をザラつかせたり、荒々しい肌にしたい場合は、また粗めの砂を添加してその砂が引き摺ったり、転がせたりします。その配合割合はまさに「サジ加減」。
私がお客様と打合せする中で、お好みの仕上がりを想像して配合を決定します。
しかし「鏝の操作法」は私では決められませんね。
例えば、「扇型」のパターンを真似ろ、といっても・・・・・・その大きさ、重ね具合、鏝の抜き加減、クセ・・・・・人によって仕上がった形がだいぶ違ってくるのです。
結果「カタログとちょっと違うんだけど・・・」という行き違いも生じやすく・・・・・(施主様のご要望は年々細かくなる傾向もあり)・・・・。
それなんで左官屋が施主の目前で塗板に試し塗りをして、鏝ムラのパターンを決定してから塗る。という調整が必要になり・・・・・・・必然日程調整が必要に・・・・・梅雨で作業が遅れに遅れ・・・・・という大変手間のかかる作業になっております。
昨日下塗り後約一週間ぶりに仕上げ塗りを敢行。↓のようになりました。
コメント
なるほど…もしかしてこれが先日のブログにあった「素人が塗ったような仕上がり」オーダーなんでしょうかA^^;)ちょろっと写り込んでる職人さんは「これがオイラの腕前だと思わないでくんな!」って思ってらっしゃるのか、はたまた「いかようなるオーダーにもお応えできるオイラの腕前を見てくんな!」と思ってらっしゃるのか。何にしても、空模様と相談しながら段取りつけるお仕事ですから、思ったように進捗しないことも多々あって大変ですね。施主様のイメージ通り仕上げられて良かったです。
> sna*****さん
外塀の仕上げなど、目立つ所ほど、個人の好みの差って出やすいね。
均一な扇型が幾何学的に連なっている綺麗すぎる鏝ムラが好きって人は少ないんだけど・・崩したり・ラフさの・・サジ加減が・・・微妙な部分です。
はい、知り合いの左官さんに手伝いを頼んだから、俺にはそんな仕上げはできないから、お前がやれと、帰って行かれました。。。
というわけで、うちの外壁は、自分が丁寧に仕上げたらムラムラ、凸凹になった、結果としての「鏝ムラ仕上げ」です。
> 超7さん
自分で仕上げた外壁ですか、家族の素晴らしいモニュメントになったと思います。ヤギといい、ハーフビルドといい私とウマが合いそうです。是非御来訪を願っております。