伝統左官技法 洗い出し施工

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左官材料店だし、左官工事を得意としてますから、常連さんならお馴染みの工事かもしれませんが・・・・施工するのは久しぶりかも・・・・。というわけで昨日の工事の解説です。

 

「洗い出し」という左官技法です。

現代では固化材はセメントです。これが輸入されるのは明治以降です。しかし同じ石灰を原料とする固化材は、有史以前より使われており、資源的にも全世界に存在しており、日本でも古来より使われてきております。

 

そうした「土を固める」という固化材は、時には壁を、そして時には土間を固めてきたわけですが。単純に固めて崩れなないだけでなく「意匠」というますか「模様」「デザイン」が追求発展してきております。

 

最近減りましたが、日本家屋の壁、といえば塗り壁。聚楽壁とか砂壁とかありますが。元来、黄土とか緑土とか天然に産出した土に石灰を混ぜ、壁の化粧に塗ったのが始まりです。

 

また昔の農家=古民家の土間が妙に固くてコンクリートみたいのは、踏まれてそうなったのではなく、石灰を混ぜて固めた古来の「コンクリート」だったわけです。これは「土間タタキ工法」と現在では言われており、時々依頼されます。

 

今回施工した「洗い出し工法」というのは、本来コンクリートの強度を出すために入れる「骨材」、つまり裏方さん、一生表に出ることはなかったハズなのにを・・・ちょっと衝立を外して見せちゃいましょうか。という工法なんですね。

内側に関しては、しっかり骨材の仕事をしながら、外はベールを剥いで、素顔を晒す  そうした技法です。

 

コンクリートを伏せ込んで、締まりが出てきたら、その表面のコンクリートの薄皮だけを洗い流すわけです。

そうすると骨材はその役割を果たすべくコンクリの中に留まりますが、その表面は露出し、その石肌が「化粧」として残るのが「洗い出し」技法です。

それを発展して、露出する石を綺麗な色の石にすれば、仕上がりが美しくなるわけです。

 

最近では、日本の伝統左官技法ですが・・・・別に日本にある砂利でなくてもいんじゃねえ、ということでこんなピンク色の砂利も使うこと多いです。

和洋関係なく、結構素敵に仕上がります。実際このオタクはスエーデンハウスでしたが、違和感なく仕上がったと思います。

私個人的には、好きな工法ですね。

 

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