75㎡広大な木製テラス完成

LIFE
 これもちょっと前に完成している案件です。冬の丸太刻みから書いている工事ですがやっと完成しました。
 40cmの杉丸8本で5mの梁材を支え、75平米もの空間を中間柱なしで建てる、それも低予算で、というのは何時も「大ボラ」ふきの私にとっても「ちょっとビビってしまっている」造作でした。
 これには相当、老化始めている脳にムチを入れさせられました。
 幾つもかの難関をクリアーしてきたのですが、一つ「肝」を紹介します。
 
 在来工法、伝統大工技術で、「仕口」といいますが、一方に穴を開けて、木を凸凹に刻み、組み合わせる工法の場合。開口部(柱間)を広くすることができません。
壁があることが前提の工法で、壁は無くとも、最低補強の材(筋交い・頬杖・火打など)が必要です。柱-梁-柱の四角い組み合わせでは横の力に簡単に平行四辺形にひしげてしまうからです。 最低限の筋交いしか入れられない、という条件でした。
 現在の在来工法での住宅建築は、補強金物が必須です。また大手ハウスメーカーでは、集成材をノミなどによる現場加工なして締結するエンジニアリングウッド工法が実践されています。これは仕口の組み合わせの「補強」金物ではなく、材木自体を強固に締結する目的の金具を使用します。これにヒントをもらいました。
 
 各社パテントもあり、これだけ売ってくれないだろうし、それにこっちは無垢材ですので強度的に使えない。そこでオリジナルの締結金物を設計して鉄工所に作らせました。
 柱の上部を4寸角に刻み、そこへ3方から梁材が合わさる部分を一枚の平板と二枚のアングル状の鉄板でサンドイッチ。通しボルトで鉄板と木材がすべて連結されます。
 また柱元も土台と柱を締結するU字型の金物を作らせました。これにより横方向の耐力が増し、また木の乾燥による痩せ、緩みの心配もないフレーム構造が可能になりました。
 こうした締結金物がこの建家の「肝」ですね。

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