何日かにわたって見ていただいたイングリッシュガーデン。造作物だから100%完全とは行かないが、施主様も当方もまずまずの仕上がりになった。
写真を見る方は、結果としての形しか見えないが、ここに至るまでに、何度もイメージの構築や共有作業というものが繰り返されたわけだ。言うなれば、客と作り手のコラボレーション。
これだけのボリュームの工事で、見積書というものを作らなかったのは初めてである。書きようがなかった。
最初にお会いした時。膨大な雑誌等をお持ちになって、多くの庭や造作物の写真を見せられてこうしたイメージで、と言われたときに、多少戸惑いはあった。多岐にわたっていたから・・・・。
実際現地を見せてもらって、身の丈以上に笹や雑草が茂っている現状の土地を見て納得、これでは完成した庭をイメージするというのは、プロの私でも難しい。
ならば作りながらイメージを作っていきましょう、と提案申し上げた。それで見積もりなしの工事がスタートしたわけ。
例えば、写真の玄関。実は、施主様は最初門柱から前に突き出して花壇を設けるイメージでいたのだ。しかし撮り位置は道路で高くなっていて、広大な面積の雨が全部庭内に入り込んでくる。
そこで、水が入りこまさず右から左に水が逃げるようにスムースにカーブさせ、ダムのように門のラインを上げるのは譲れないと私。
ならば、と今度はそのカーブの内側に花壇をもってくるイメージ図を書いてこられた。それなら行けますね。壁の穴は、お客様がこれから作られるステンドグラスが収まる予定です。
こうしたコラボレーションの末、庭の完成に至ったわけです。
これいくらかかったの?。と問われていくら、と答えは出ます。でも作っていく中で、お客様が積極的に参加して一緒に作り上げていく。これは他人が金額では計れません。
どこかのカード会社かのCMに、「プライスレス」というのがあったね。
イメージを一緒に具現化していく。こんなに楽しい作業はそうそうないはず。私にとっても楽しかった。まさにプライスレスの価値ある庭作りだったんじゃないだろうか。
コメント
すばらしいお客様に出会えて良かったですね。
プライスレスなんて理想的な仕事ですね。
お庭もこれからお花や木が植えられて育っていくんですね。とても楽しみです。ポチ!
現在のハウスメーカーの家というのは、各社工法や建材に縛りがあって完全自由設計とは行かないことが多い。しかし外構工事はフリーハンドで自由に素材を組み合わせることができる。
勿論「予算」という縛りはあるわけだが・・。それを折り合いをつけた上で、可能な限り施主様のイメージを具現化することが私にとってこの仕事していて最大の楽しみでもあります。
施主様が作る工程を共有できれば、まさにプライス以上の価値を共有できます。
私もこの後の庭の成長が楽しみです。