三重紀行 ⑦  愕然

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さて山旅も最終番。大杉谷の下流部の滝を楽しんだら、あとは街に戻るだけ・・・・・・が、実はこれが最大の難関であることは想定していたのだ。

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どういうことかというと・・・・。

ネットに山行記録は溢れていて、今回の通が行く「マブシ嶺」もそうした処から見つけたのだが・・・・。

私が決めたルートの記録は非常に少ないのだ。逆コースはあっても、実際私が辿ったコースと同じ記録は見つからなかった。有名な大杉谷も他方から入って下る、という記録が異常に少ない。

それは登山口までのアプローチの悪さが原因ではないかと想像した。

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つまり登山口=車道の終わり だけどここから最寄りの集落のバス停まで2時間以上歩かなければならないし、その町営バスも日に5本しかない。その先頼りのJR紀勢線は日中2-3時間に一本というローカル線なのだ。

じゃ一般のハイカーはどうしているのだろうか?

・マイカーで登山口まで乗り付けて、ピストン行程。

・大杉谷専用登山バスを利用。これは完全予約制で、駅から登山口まで全行程を送迎してくれる、小屋泊まりだとしても翌日迎えに来てくれて往復利用が前提である。

それはわかっていた。要は私のルートでの「足」を見つけることだった。町営バスを利用するか。相当な金額になるけどタクシーを呼ぶか・・・・・だろうな。

記録が見当たらないので、地図等で想像して予定を決めたのだが・・・やはりこうしたことは現地に行って見なければわからない。

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桃の木山の家の案内図によれば、小屋から登山口まで4時間とある。その登山口から集落のバス停まで「約」2時間と書いてあった。

日に5本の町営バスの3本目の出発が午後0時だから・・・・最低でも朝6時に出立しなければ間に合わないだ。

ん・・・ちょっと待って、チェックインで2食頼んじゃったけど・・・・これゆっくり朝食食べてたら間に合わないじゃん。

で、実際

40分ごとに夕食時間をずらして混雑緩和を図っていた夕食と違って、早い者勝ちの朝食は、もうすでに長蛇の列ができており・・・・・・・。これ待っていたら絶対バス間に合わんわ・・・・と決断して食券をカウンターに静かに戻して・・・・朝飯抜きで午前6時5分出発するのでありました。

朝食食いそこねたことは残念だけど・・・・この次のバスになると、今日中に自分の車に戻ることさえも難しくなりそうなので、当然そっち優先です。

登山道は蜘蛛の巣が張っていて・・・・私が今日一番ノリであることは間違いない。

しかし道標にある距離と、自分の歩くペースは・・・・・・まさにコース図とおりで・・・・稼いでいるつもりで・・・稼いでいないもどかしさよ。

それでもコース予定より10分稼いで登山口に到着したのだ。あと残されたタイムは2時間5分だ、間に合うか??否か??。

やった! と思った途端奈落に突き落とされた。案内図にはバス停まで9.8kmと書かれていたのだ。

山小屋の案内図には「約2時間」と書かれていて「2時間」ならば、と信じて懸命に歩いてきたのだ。

 

しかし  残り10km となれば、 いくら 舗装道で フラットであっても、15kgの荷を背負って2時間で歩くことなど不可能である。

 

愕然 ちょっとショックで足がもつれた・・・・・。

 

 

登山道入口近くになって二人組に抜かれたのだ。それが昨晩山小屋で隣の布団に寝ていたグループだと私は認識していた。その二人組は、登山口に着けばマイカーで入山していたことがわかった。

千載一遇のことかもしれない・・・・・・。

ちょっと恥ずかしかったが・・・・・・アカラサマにお願いした。

「昨日隣に寝ていた者です。残り10kmもあるとは思わなかった。バスの時刻まで間に合いそうにないのでバス停まで乗っけてくれないか」

流石に山仲間同士。二つ返事でOKが出て・・・・・・これで今日中に戻れそうだ。

と一安心なのだ。

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まだまだ つづく

 

 

 

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