昨日よりつづく
そんなわけで、「無電源で燃焼するペレットストーブ」を一台試験的に仕入れてみました。
イタリア製で「Fiorello Air」という名前らしいです。今後AIR と略称。
「電気なくて、燃えるならさらに理想的なんじゃない」昨日のペレットストーブの弱点が気になった方。すぐに飛びついてはいけません。何でも表 に 裏、 + もあれば、- もあるんです。
まず最初に釘を刺しますが。
排気を強制的に電動ファンで排出しない = 薪ストーブと同じように煙突のドラフトが必要
昨日の対比を見直してください。このメリットを得る代わりに、煙突工事が必要となり「イニシャルコストが安い・設置が簡単」という長所が消えるわけです。
それでは
無電源で駆動するために、技術者が苦労した点を見てみましょう。
ペレットストーブが電動化している点を挙げれば分かりやすい。
最大の難所と思われる 燃料の供給
通常はモーターで筒の中にあるスクリューを回してペレットを燃料タンクから「持ち上げて」、燃焼室に「落とします」横から見るとN字型に燃料が動くわけですが。どうしてこうのように経路を折り曲げるかというと、「逆火」といって燃焼室の火が燃料タンクに行かないようにするためです。スクリュー構造なのも、燃料を運ぶ機能のほか、タンクまで延焼をさせない意味もあります。
AIRはどうしているかというと、タンクから燃焼室はほぼ垂直上にあって、つまり自然落下なんですね。これでは逆火してしまうだろう????。ペレットストーブ屋なら皆そう思うでしょう。
しかし・・・・え!と驚く仕組みが隠されていました。
燃焼ポットにペレットが落ちる手前に、ゲートがあるんですが、これが、燃料供給口の扉と連動しているんです。つまりゲートを開けている時は、絶対に燃料タンクの蓋はロックされ開かないんです。逆に燃料入れるときにはゲートは必ず閉じています。
AIRは横から見ると燃料供給ラインと、ポットから排気が登っていくラインがYの字のようになります。煙突側からドラフトで火炎を引っ張ってます。でもこれだけでは逆火してもおかしくないんですが、燃料タンク側が密閉していて空気が抜けないというか流れないんですね。負圧の方にのみ火炎がなびく、という理屈で逆火を防いでいました。
↑ゲート開閉のハンドル
↑4本の爪で、しっかりロックして+気密ロープで空気が動かないように密閉する燃料タンク。これだけで逆火を防止できるんだ!!!!!! 関心。
コロンブスの卵でないですが、単純な理屈を見つけた人が素晴らしい。
長くなるので、明日につづく。
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